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人橋上従(よ)り過ぎれば、橋は流れて水は流れず

 

罪の子

 愛する許婚(いいなずけ)が既に身ごもっていることを知った男は、あわてふためくにちがいない。ヨセフがマリアとの婚約を解消すべきか否か思い悩んでいた時、天使が現れ、「処女は身ごもり男の子を産む。その子はイマヌエルと呼ばれるであろう。『神は我らとともにあり』と言う意味である。」と告げた。ヨセフはそこで目が覚め、天使が命じたとおりマリアを妻として迎え、生まれた子にイエス(イマヌエル)と名付けた。

 

聖別

 この世に生を得たものは、全て神が聖別して、世につかわされた者、すなわち神の子に他ならない。とは言え、他人が許婚に孕ませた子を、実子として養っただけでなく、『イエス(神は我らとともにあり)』と名付けたヨセフこそ、人類史上最も偉大な父親と言うことができるだろう。ヨセフが苦しみの中で到達した無辺無尽の慈悲心が救世主イエスを誕生させたのである。

 

善慧大士の偈頌

 中国南北朝時代の高僧善慧大士(497-569)の偈頌「空手にして鋤頭を把り、歩行して水牛に騎る。人橋上従(よ)り過ぎれば、橋は流れて水は流れず。(碧巌録)」は正にこうした発想の大転換、即ち回光返照の退歩を諭されたものと思う。

 

イエスの実父

 イエスの王朝の著者ジェイムズ・D・ディバー氏によると、イエスの実の父親はローマの歩兵隊第一射手ティベリウス・ユリウス・アブデス・パンテラであったものと見られ、聖書の記述から、イエスは布教活動の合間を縫って、肉親の父親に会いに行った節が見られると言う。

 

オバマ大統領の発願

 米国民が建国以来初めて選出した黒人大統領オバマ氏は、病める大国を再生させる道を地球上から核を廃絶することに見出したようだ。地上の生命を根こそぎ消滅させることも可能な大量破壊兵器を開発し、貯蔵する米国は、原罪を犯したアダム以上に罪深いと言えるが、核を廃絶できるなら、その功績は遙かに罪を上回り、米国のみならず全人類を蘇らせることができる。そして今そのことができるのは、恐らく米国をおいて他にないだろう。

 

神に委ねる変身

 今日のような疾風怒濤の時代にあって水面に浮上し続けるのは、大国も小国も、大企業も個人も極めて難しく、もがけばもがくほど、急流に足を取られ、水中深く引き込まれかねない。こうした際には、急流から一歩退き、橋の上に立って見るのも一つの方法かも知れない。不思議なことに最早水は流れず、橋と共に流れる自分自身を見出すことができる。

 

 パウロはローマ信徒に宛てた手紙の中で「この世の風潮や習慣に倣うのではなく、あなた方の心の眼を外から内に向け、神があなたを変身させるのにお任せしなさい。そうすればあなた方のことをはかる思いやりに満ちたまったき御心を理解することができるでしょう」と説いている(ローマ信徒への手紙12章2節)(返照2009/07/10)

 

参考:

発願:阿弥陀が悟りを得て衆生を救済しようと決意したこと。