1997-12-17 ◆<星>SCV、加入者伸び悩みの中で社長交替? 【シンガポール】加入者が伸び悩んでいるシンガポール唯一のケーブルTV会社、シンガポール・ケーブルビジョン(SCV)のダニエル・ゴー社長が来年1月に退任、SCVに24%出資するシンガポール・テクノロジーズ(ST)グループに属するサンページのヨン・ラムスン重役(GM)が新社長に就任するもようだ。 SCV内部にはゴー社長のリーダーシップと経営スタイルに対する批判の声があり、某元幹部は「ゴー氏は不適任」と断じる。 SCVに25%出資するUSウエスト系列のコンチネンタル・ケーブルビジョンが送り込んだSCV初代社長ランドル・コールマン氏ほか外国人幹部8人が昨年、事業戦略と経営スタイルの対立から同社を去った。さらに、過去4カ月の間に、エン・ヘンチャウ技術担当上級副社長とテリー・ウィ経営担当副社長も相次いで辞職。今年3月には、コンチネンタルの経営契約が途中解約された。 SCVの加入世帯数は増えているものの、加入率(SCV加入世帯/ケーブル接続世帯)はまだ18%(10万世帯/55万世帯)にとどまっている。つまり、既にケーブルが接続されているにも関わらずSCVと契約を結んでいない世帯が5世帯のうち4世帯にのぼる。 会社登録局(RoC)の記録によると、SCVは昨年2500万Sドルの赤字を計上している。ゴールドマン・サックスは9月レポートにおいて、SCVの今年の赤字を3100万Sドル、来年は3300万Sドルと予測、加入率も今年の16%から来年は21%に上昇すると予想しているに過ぎない。 ゴー社長は、同社のキャッシュフローがプラスになるには50%の加入率が必要で、ケーブルTVは儲かる仕事ではないとするとともに、SCVの将来はインタラクティブ・マルチメディア・サービスに見いだすべきだとしていると言う。 南洋理工大学(NTU)コミュニケーション学部のP.H.アン講師は、「シンガポールのケーブルTVはまだ離陸していないとの見方もあるが、加入率は米国のケーブルTV揺籃期の1980年代初めの数字とほぼ同水準に達している。アジア人は欧米人ほどTVを見る習慣がなく、インターネットがTVの視聴時間を奪っていると言う調査結果もある」と指摘した。 USウエストがSCV取締役会に送り込んでいるマーチン・ハンズ氏によると、米国では加入率が60%達するまでに25年を要した。ケーブルTVに対する市民の認識が高まれば加入率も上昇するはずで、シンガポールではマーケットの教育にもっと力を入れる必要があると言う。 SCV幹部の1人も、スタート時点からマーケティングの努力が欠けていたことが、低加入率の原因と指摘する。消息筋によると、ゴー社長は、ケーブル網が不完全な段階で需要を創出すべきではないとして、宣伝に反対したという。とは言え、同社は昨年9月からキャンペーンに着手、今年はさらにピッチを上げており、問合せも30%ほど増えていると言う。(BT:12/16)