1998-05-04 ◆<星>自動車産業、昨年は1850万台過剰生産 【シンガポール】世界の自動車産業の設備能力の過剰は昨年1850万台に達し、2002年にはさらに2030万台に拡大する見通しだ。アジア太平洋地域は全世界の過剰設備の40%を占め、その半ばが日本に集中している。 米国最大の独立系部品サプライヤーDana Corp傘下Dana Spicer Asia(Thailand)のJan Merder重役(MD)によると、過剰設備能力は、世界の自動車メーカーのトップ・スリー、ジェネラル・モーターズ、フォード、トヨタの合計生産台数1830万台を上回っており、自動車産業に深刻な陰影を投げかけている。このことは過剰投資と投資効率の下降を意味し、向こう数年間には合併、買収等を通じて、弱小プレーヤーが淘汰される見通しだ。 設備過剰問題は1970年代から存在したが、各社がラテン・アメリカやアジアの成長市場に殺到したことにより、急速に悪化した。また保護主義もこうした傾向に拍車をかけた。第2時世界大戦後、貿易の自由化、市場開放の潮流が生じたが、自動車産業に限ってはこうした潮流に逆行する保護主義の波が見られ、少なからぬ国がいわゆるナショナル・カー・プロジェクトの名の下に様々な障壁を築いて国内産業を保護した。 昨年は全世界の自動車生産は5000万台に達したが、向こう5年間にはさらに1000万台の製造能力が追加され、アジア太平洋地域がその半分に貢献するものと予想されている。 自動車メーカーは過去の経験に学び、同じ過ちを繰り返さぬことが肝要である。慎重なアプローチが長期的には設備稼働率をハイレベルに維持することにつながると言う。(BT:4/30)