1998-05-29 ◆<星>エコノミスト、景気刺激策の効果に疑問 【シンガポール】トニー・タン副首相は、第2四半期の景気動向を見て来月末までに景気刺激策を導入する政府の方針を明らかにしたが、エコノミストらはその効果に疑問を呈している。 カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマースのエコノミストによると、1985年のリセッションはシンガポールの競争力の急激な劣化に伴うものだったが、今回の危機は外的要因によるもので、伝統的な国内需要喚起策が奏功する可能性は薄い。またシンガポールのように国内市場が小さい国においては、国内需要喚起策の効果は常に限られたものでしかないと言う。 ケイヒアン・リサーチのアナリストは「それも悪くはないが、建設業や銀行業等の特定の部門にあまりにも多くのリソースを注ぎ込むのは問題」とし、「税の還付の方が特定の業種に偏らず、市場メカニズムを活用できる」と指摘した。 GKゴーのアナリストは「シンガポールのような小さな国土では、それほど多くのインフラ・プロジェクトを実行できるものではない」と懐疑的だ。 ダイワ・リサーチのエコノミストは、「政府の消費支出を拡大する方が即効が有り、効果も測定し易い」と語った。また、中央積立基金(CPF)の雇用主負担が引き下げられる可能性を予想する向きもあるが、同エコノミストは、不動産/銀行業に波及効果が集中し、新たな問題を派生させる可能性もあると警鐘した。(BT:5/28)