1998-07-27 ◆<星>債券市場開設検討:副首相 【シンガポール】シンガポール政府は、債券市場の創設を計画する他、Sドル建て債券の発行を一層容易にする可能性を検討している。 ワールド・エコノミック・フォーラムの機関紙ワールド・リンクのインタビューに応じたリー・シエンロン副首相によれば、これにより経済危機が終息後、域内諸国はシンガポールでインフラ開発資金を容易に調達でき、シンガポール政府も国内インフラ開発資金の一部を同市場で手に入れられる。こうした構想はまだ具体化していないが、シンガポール金融産業の今後の発展の方向と言える。 シンガポール政府の角度からすれば、累積予算黒字のみに依存することなく、市場から低コストな資金を調達し、インフラ開発を行えるなら、財政の柔軟性が増す。この種の方式は政府の資産/負債表には反映されず、将来政府財政に赤字をもたらす恐れもない。 国内の貯蓄のみに依存していたのでは、大規模な金融業の成長は望めない。しかしながら国外から流入した資金を国内投資に当てるなら、こうした資金を持ち込んだ者が、何らかの原因でその資金を大挙引き上げるリスクも配慮する必要がある。こうしたリスクを抑制する道は、Sドル相場、金融システム、不動産市場の健全さと安定を維持し、政策の透明度を高めることだが、その実行は、そう容易ではない。 一連の金融制度改革は3~4年をかけて徐々に進め、個々の改革措置が金融業全体を震撼させるようなことは回避せねばならない。また経済再編の過程では、コストではなく、労働者の技術レベルが最終的な競争力の決定要因になることを認識する必要があると言う。(ST,LZ:7/26)