1998-08-27 ◆<星>ADCテック、Eコマース時代をリード 【シンガポール】ほとんど無名の地元企業ADCテクノロジーズ・インターナショナル Pte Ltd(ADCテック)がスマートカード・リーダー国内市場のトップに立ち、シンガポールのEコマース時代の先駆けを務めている。 ビンセント・リム/ウィリアム・シム両氏が10年前に創設した電子セキュリティ・システムの提供会社ADCテックのスマートカード・リーダー“E-Key”は地場大手3行(UOB/OCBC/POSBank)のインターネット・バンキングに採用されたほか、国家コンピュータ局(NCB)も昨年“シンガポール・ワン(One Network for Everyone)”の試行にあたって同リーダー5000台を購入している。 またNETS(Network for Electronic Transfers Singapore)はNTUCフェアプライス、NTUCインカム(旅行保険)、ピザハットなどの料金支払いに“E-Key”を採用している。 “E-Key”は現在、ERP(エレクトリック・ロード・プライシング)やキャッシュカードなどの支払いに対応したソフトウエア“E-Cash Manager”とともに国内100店舗以上で販売されている。E-Keyの店頭価格は1台59.95Sドルだが、POSBankはインターネット・バンキング・プロモーションの一環として格安価格で顧客に提供している。 リム氏によるとE-Keyの70%がインターネット・アプリケーションに使用され、残る30%はERPとキャッシュカードの支払いに使われている。同社は目立った広告はしていないが、昨年の売上は1000万Sドルに達した。リム氏は、スマートカード・リーダーのブームは始まったばかりで、国内だけでも今年は5万~10万台の売り上げが見込めると語る。 ADCテックの製造担当を含む社員100人のうち20人がR&Dスタッフで、製品(ハードウエアとソフトウエア)の開発と設計は社内で行っている。E-Key用チップのスペック設定、プリント基板の設計、組立も社内でこなした。 現在販売されているE-Keyはパソコンのシリアルポートに接続して使用するが、R&DチームはパラレルポートおよびUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)ポート対応製品の開発に取り組んでおり、パラレルポート対応版は2カ月後、USBポート対応版は来年初めの出荷が目指されている。(BT:8/27)