1999-03-08 ◆<星>首相、米国証券市場の大型バブルに懸念 【シンガポール】ゴー・チョクトン首相は5日、異常に膨張した米国証券市場のバブルがアジアや世界経済の異変に刺激され、何時でも破裂する恐れがあると警鐘した。 この日オーストラリアにおける最後の訪問地ヴィクトリア州で、ジェフ・ケネット知事主宰の午餐会の席上、ゴー首相が語ったところによると、米国証券市場の時価総額は米国の国内総生産(GDP)の150%に達しており、これは45-55%の伝統的比率に比べ異常に高い。こうした巨大なバブルがソフト・ランディングすれば幸いだが、アジアや欧州の何らかの変化からパニックが生じ、大量の資金が米国証券市場から逃避するなら、その影響は想像し難い。 首相はまた域内経済に触れ、中期、長期的には、いずれ景気は回復するものと楽観しているものの、短期的見通しは不透明で、懸念材料も存在すると語った。日本経済の先行きが不透明な上、中国経済の成長鈍化も懸念されることから、世界経済が12カ月後にどのような外観を呈しているかを想像するのは困難と言う。 ゴー首相はさらに兎と亀の諺を引き、5年前にアジアが脱兎のような急成長を遂げていた時、オーストラリアはせいぜい2~3%の成長が望めるに過ぎなかった。しかしオーストラリアは堅実な政策運営により今も2~3%の成長を維持しており、結局アジア諸国との競争に勝利した。多くのアジア諸国は急速なインフラ開発や高度成長に目を奪われ、経済のファンダメンタルに関心を払わなかった。首相は、今回の経済危機はアジア諸国が経済政策や企業経営の基本に立ち返る教訓になったとするとともに、シンガポールはこうした点でもオーストラリアの諸都市と競争する準備ができていると語った。(ST,BT:3/6)