1999-03-17 ◆<星>ソフトウェア企業、日本市場に橋頭堡 【東京】シンガポーリアン、Winston Lan氏(40)が1993年に日本に設けたソフトウェア会社A&Pコーディネーター・ジャパーン・カンパニーLtdは、厳しい生存競争に生き残っただけでなく、昨年は売上10億円を達成、余勢を駆って米国市場進出も目指している。 シンガポールでは、高品位印刷やデザイン、出版サービスを手がけるA&PコーディネーターPte Ltdが合弁により資本金150万円で設立したA&Pコーディネーター・ジャパーン・カンパニーLtdは当初はスタッフの給与も払えぬ惨状を呈していたが、シンガポールの貿易開発局(TDB)からスタッフのサラリーとオフィス賃貸料の半額を補助され何とか難関を切り抜けた。 ラン氏と日本における経営を委ねられたフジイ・タケユキ氏(35)が、日本市場にマッチした製品の開発とマーケッティングに努めた結果、日本人のクリップ・アーツ嗜好に着目したフラグシップ製品「具満タン」が約30万セット売れ、次いで昨年6月に発売したレストランのメニューやポスターの簡易作成ツール“効くぜ”も大ヒット、今年は売上13億円を見込んでいる。 ラン氏は、成功の秘訣は、ヤオハンで知り合ったフジイ氏に経営を一任したハンド・オフのマネージメントと語る。ラン氏は、日常業務の取り仕切りはフジイ氏に委ね、自身は会計監査だけを厳重に行った。こうした努力はベンチャー・キャピタル会社の信頼を得る上でも役立ち、昨年A&Pは日本の銀行3行から新たに1億円の資金を取り入れた。ラン氏は依然として50.33%の過半数権益を握っているが、フジイ氏もラン氏に過半数権益を維持するよう求めている。フジイ氏はその理由をラン氏の下なら、自由な経営が可能なためと語る。 効くぜのヒットの秘密は、ビジネス用途だけでなく、小学生向けのアプリケーションも簡単に制作できるテンプライターで、これによりホーム・マーケットの開拓も可能になった。ラン氏は目下同製品を米国市場に売り込む可能性を研究しており、今月中にも実地調査に赴く計画と言う。(ST:3/16)