1999-05-03 ◆<星>対米電子製品輸出で、近隣諸国に遅れ 【シンガポール】シンガポールの対米電子製品輸出は1992~1998年の間に改善したものの、対米電子製品輸出のブームの最大の恩恵を受けているのはマレーシアやフィリピンで、シンガポールはこれらのライバルに後れをとっている。 DBSバンクのFriedrich Wu調査主任によれば、アジアの輸出業者にとって米国は最大市場だが、電子製品を中心とする類似性から競争が過熱している。シンガポールの電子製品輸出トップ・スリーの中で競争力と成長力を維持しているのは、オフィス/データ処理機器のみで、電機/電器と通信機器の競争力は、下降線を辿っている。 とは言えオフィス/データ処理機器はシンガポールの対米電子製品輸出の80%を占めていることから、同部門が競争力を維持していることは朗報と言える。 国産非石油製品輸出の3分の2を占める電子製品輸出は、シンガポールの最も重要な輸出品であり、今後も暫くはそのパフォーマンスが国内経済全体の成長を左右することになる。しかし、政府の努力に関わらず、労働/土地コストの上昇に伴うコスト競争力の低下から、電子産業投資に陰りが生じている。 マレーシア、フィリピン、中国との競争の過熱で、電子部品価格の大幅な下降が生じており、技術の急速な進歩も製品の寿命を短くしている。したがってシンガポールはハイエンド技術への重心移動を通じ、アジアのライバルに対する競争力を維持する必要がある。当然のことながら、電子製品以外の高付加価値領域への進出により、特定産業に過度に依存するリスクも軽減すべきだと言う。(ST:4/30)