1999-09-28 ◆<星>メディアリング、赤字企業IPOの先陣? 【シンガポール】地元インターネット・ソフト会社MediaRingはシンガポール証取(SES)に上場を果たす初の赤字経営会社になる見通しだ。 消息筋によればインターネット国際電話ソフトと関係サービスを提供するメディアリングは11月半ばか同月末に公開公募(IPO)を行う見通しで、3000万乃至4000万Sドルを私募、別に5000万Sドルを公募調達する計画とされる。 IPO価格から換算したメディアリングの時価総額はほぼ1億Sドルに達し、これはリー・シエンロン副首相が先々週発表したSESの修正上場規則の1つ、時価総額8000万Sドル以上の条件を満たすことになる。これ以前には、過去5年間の利益計上がメインボード上場の最低条件とされていたが、新規則の下では時価総額が8000万Sドル以上のスタートアップ企業は譬え赤字経営でも上場が認められることになった。 リー副首相の同発表後、1ダース以上のインターネット企業が上場を目指して蠢動しているとされ、メディアリングの後援者らは、こうしたものに先駆けてメディアリングのIPO実現を目指しているようだ。大部分のインターネット企業同様、メディアリングは利益を上げていないのみならず、年間800万~1000万Sドルの出費を重ねているとされる。とは言え、インターネット企業にとってはこの種の出費は、未来のインフラ構築に励んでいる証左と見なされる。いずれにしてもメディアリングの後援者にとって上場は、ぼろい儲けが見込め、例えば3カ月前にナスダックに登録したNet2Phoneの時価総額は今や35億米ドルに達している。 ちなみにメディアリングの後援者には経済開発局(EDB)/国家科学技術局(NSTB)/大華銀行(UOB)のベンチャー・ファンドや、シンガポール・テクノロジーズ、クリエイティブ・テクノロジーズ、イノメディアが含まれる。 インターネットを通じた国際電話は数年前までは、ハードコアのコンピューター・マニアの間に限られていたが、技術の進歩の結果、一般にも利用が可能になり、伝統的な電話会社の現実の脅威になりつつある。 メディアリングのソフトウェアを用い、パソコン(PC)ユーザーが相手の電話番号をキーインすると、自動的に受信者がネットにログ・オンしているか否かが、チェックされ、ログオンしていなければ、IDD回線を通じて受信者の電話のベルが2度鳴り、ハングアップ。受信者の準備が整へばネット・コールが可能になる仕組み。 メディアリングの収入源は通話中にPCモニターに表示されるフラッシュ広告で、関係ソフトウェアは無料でダウンロードできる。PC間のネット・コールは基本的にフリーだが、PCと一般電話間の通話は登録が求められ、例えば米国と英国間であれば、1通話当たり10米セントのサービス料が徴収される。これまでに関係ソフトウェアをダウンロードした者は延べ150万人にのぼると言う。(BT:9/25)