2000-08-04 ◆インド政府、自動車補助産業に関税保護準備 【ニューデリー】インド政府は世界貿易機構(WTO)合意に基づき2001年3月末までに量的規制(OR)が撤廃された後、適切な関税政策を通じて自動車補助産業を保護する計画だ。 インディアン・エクスプレスが2日報じたところによれば、目下立案中の自動車産業政策の一部を成す関税ガイドラインは、地元自動車部品産業の成長を確保するため、自動車メーカーに国産部品の使用を促すことを目指している。 工業省の内部通達の中で提案されている地元自動車補助工業の保護計画が実行されるなら、量的規制が2001年に解除された後、存立基盤が危険に晒されると不安を抱く、地元自動車部品製造業者を安堵させる見通しだ。 政府はまた、地元産業を振興するため自動車部品の国産化や研究開発(R&D)に対する奨励措置も提案している。 その一方で、内部通達は、量的規制が撤廃された際には、地元部品の使用や完成品及び部品の輸出、あるいは輸入ライセンスの取得を義務づけた現在の制度を維持するのが難しくなる点を指摘している。政府筋は、「投資誘致策を推進する一方で、現在の自動車政策を持ちこたえることができるよう、政府は国内需要を拡大するとともに、地元製造業者や産業全体のシナリオを反映した輸出産業のための基盤を提供する必要がある」と付言した。 自動車産業に関わる問題は、自由化政策が導入された後、異なる省や部門によりバラバラに主張されてきたことから、近く発表が予定される自動車産業政策は同産業の全体像を明確にするものと期待されている。 この他、覚書方式の存続問題を巡る政府と業界の意見の相違等、緊急に解決が求められる重要課題も存在する。政府はこれまでに結ばれた覚書は、自動車産業における量的規制が撤廃された後も遵守されねばならないとの姿勢を保っている。つまり政府と覚書を交換した自動車メーカーは、輸出ノルマや地元部品使用率、あるいは最低投資額等、全ての約束を履行せねばならない。 これに対して自動車メーカー側は、政府に対し、WTO協定の発効後は、覚書システムも他の規制措置同様廃棄されるべきだと訴えている。ちなみに外国貿易総監は、これ以前に「自動車会社は量的規制が来年撤廃された後は、最早政府と覚書を結ぶ必要はない」と声明した経緯がある。 自動車産業政策が数週間後に発表された際には、こうした点も明確になるものと予想される。 1991年に自由化政策を導入したインド政府は、1993年には「乗用車部門のライセンス制は撤廃され、新規参入者に対する政府の規制や直接的統制はほとんど無くなる。その後は輸入関税が、自動車産業の一層の開放がなされるまでの過渡期における主要な規制手段になる」と声明した。政府は当初新規参入者があるたびにケース・バイ・ケースで条件を課してきたが、商務省は1995年6月に覚書制度を導入した。