2000-10-04 ◆政府、ハイウェイ事業への外資導入の成果に落胆 【ニューデリー】インド政府は3年前に赤絨毯を敷いてハイウェイ建設事業への外資の誘致を図ったが、同領域への外国直接投資(FDI)の流入は生じず、地元民間資本の導入さえ実現しなかった。 ヒンドゥー・ビジネス・ラインが10月2日報じたところによれば、Indian Roads Congress (IRC)の賛助下にこのほど「21世紀におけるハイウェイ・プロジェクトの金融、施工、経営」と題するセミナーが催され、ハイウェイ・プロジェクトへの外資及び民間資本導入計画の不振な成果にハイライトが当てられた。 それによると、インド政府はハイウェイ・プロジェクトに必要とされる資金の10~15%を、FDIを含む民間資本により賄うと言う控えめな目標を立てたが、実現に至らなかった。このため税制、財政上の奨励措置に加え、関係法規に修正を加え、1500クローを上限に外資の100%出資を自動認可し、海外商業借款(ECB)規制も緩和したが、依然として成果が上らなかった。 セミナーでは外国投資家や地元投資家の冷淡な反応の原因として、ルピー相場の変動に対するヘッジ手段がほとんど存在しないことが指摘された。外国投資家らは通貨相場の変動に伴うリスクに対する保証を政府に求めたが、政府は偶発債務が無限に拡大することを恐れ、これを認めなかった。 またハイウェイ・プロジェクトは所有権の伴わぬBOT(建設/経営/引渡)方式で発注されることからデベロッパーは、銀行借入に際して担保を提供できない。このためデベロッパーは通行料収入を返済に当てることを条件に借入を行う他ないが、政府はハイウェイ完成後の通行量に対する保証も拒んだ。 政府はこうした金融面のネックを解消するためシャドー・トーリング(shadow tolling)やアニュイティー・トーリング(annuity tolling)方式の導入を試みている。シャドー・トーリングでは、インド全国高速道路局(NHAI:National Highways Authority of India)は交通量に基づいてデベロッパーに工費を支払う。これによりデベロッパーは交通量のリスクは負うが、通行料金徴収のリスクからは解放される。またアニュイティー・トーリング方式ではNHAIは年間ベースで工事費を分割払いする。年間支払い方式もシャドー・トーリング方式も、支払いを長期間に分割して行えるため、NHAIの負担は軽減される。 しかし複数の大型プロジェクトを成功させない限り、こうした方式に対する外国投資家や民間投資家の信頼を得ることは困難と言う。