2000-11-08 ◆繊維業界、新繊維政策に憤激 【ニューデリー】国内繊維産業界(organised mill industry)は先週発表された新繊維政策が、業界の抱える問題に何ら応えていないことに憤りを表明している。 インディアン・エクスプレスが11月6日伝えたところによれば、全国民主連盟(NDA)政府が1年ほど前に発足して以来、40社近い繊維工場が倒産したが、繊維業界には今後益々多くの工場が閉鎖に追い込まれ、同業界が崩壊するのではないかとの懸念も生じている。 依然として操業を続ける繊維工場主らは、新繊維政策が直面する様々な問題を軽減してくれるのではないかと一縷の望みを託してきたが、今やそうした望みも失われた。業界筋によれば、繊維業界はハンク・ヤーン義務(手織業界へのヤーン供給確保義務)や手織業保護措置の撤廃、雇用規制の緩和等が新繊維政策に盛り込まれることを期待したが、こうした期待は1つもかなえられなかった。これに反して中国では労働法の規制を緩和し、繊維産業の基盤強化が図られている。世界貿易機構(WTO)の規定に基づき市場開放措置がとられるなら、国内市場においても中国製品との競争に晒されることになる。 繊維業界はこうした問題を協議するため、過去4ヶ月にわたり、Kashiram Rana繊維産業相に面会を求めて来たが、終に会談は実現しなかった。 誰もが予想したように新政策には、TUF(技術向上基金)やTMC(Technology Mission on Cotton)の利用、あるいはIT(情報技術)の応用を通じた近代化の必要が説かれているが、新鮮な内容は見あたらない。 不幸なことに繊維産業省と大蔵省の間には協調態勢も存在せず、後者は繊維工業界に一層の打撃を及ぼす差別的財政政策を推進している。 綿製品取引業者筋は、自由化、市場開放が声高に唱えられている時代に、またほとんどの輸入規制が解除されたにも関わらず、綿に対する輸出制限が依然として維持されたことに驚きを表明している。 繊維製品輸出を現在の60億米ドル弱から向こう10年間に250億米ドルに拡大すると言う目標は確かに野心的だが、年率30%近い輸出成長を維持するのは、現実的とは言い難い。今日世界の繊維製品市場における中国のシェアは17%前後であるのに対し、インドのシェアは2%程度である。野心的な目標を掲げて喝采を受けるのは容易だが、実現不可能な目標を掲げるなら、早晩人々の誹りを受けるだけである。 衣料市場の開放は歓迎されるが、資金難に直面する地元繊維業界のどれほどの企業が新規投資を行うかは定かでなく、また外国衣料会社はインド国内市場の開拓に関心は有っても、インドの繊維製品輸出にどれほど貢献するかは疑わしいと言う。