2001-04-20 ◆ソーダ灰業界の前途に陰影 【コルカタ】インドの年産225万トンのソーダ灰産業は直接15万人、間接的には50万人に就業機会を提供しているが、新年度予算に、ソーダ灰に対する関税を35%から20%に引き下げることが盛り込まれていたことから、同業界の前途に陰影が生じている。 ヒンドゥー・ビジネス・ラインが4月18日伝えたところによれば、関税引き下げは、外国のソーダ灰製造業者、取りわけAmerican National Soda Ash Corporation (ANSAC)に恩恵を及ぼす。国内ソーダ灰業界はブラジル、メキシコ、台湾の同業者の末路を想起し、不安を高めている。これらの国のソーダ灰産業はANSACの画策により、ほとんど壊滅した。 ANSACは欧州市場へも進出を図ったが、欧州連合(EU)はANSACにカルテルの烙印を押し、その進出を防止した。しかしANSACに加盟する個々の米国ソーダ灰会社は依然として欧州にその製品を輸出できる。 インドの独占・制限的商行為監視委員会(MRTPC: Monopolies & Restrictive Trade Practices Commission)もANSACをカルテルと判定する一方、ANSAC加盟の個々のソーダ灰会社からの輸入は認めている。ANSACはMRTPCに同裁定の見直しを求めるとともに米国通商代表部(USTR:US Trade Representative)にも訴えた。USTRは同案件をペンディングしているが、最近になってインドからの輸入品305品目に対する特恵関税(GSP)の適応を取り消した。USTRの措置の背後にANSACが介在していることはJanuary 19FRノーティスの補足資料からも明かである。 ヤシュワント・シンハ蔵相は「関税引き下げは、国内ガラス産業と洗剤産業のコスト引き下げを目指したもの」と述べているが、ソーダ灰業界団体は、これら2部門が受ける恩恵は3~3.5%を超えないと指摘している。 インド国内のソーダ灰市場は170万トンと見積もられるが、国内最大のソーダ灰会社Tata Chemicalsの年産量は85万トン、Gujarat Heavy Chemicalsは45万トン、昨年操業を開始したばかりのNirmaのそれは40万トン、Saurashtra Chemicalsは35万トン、Dharangdhara Chemicalsは10万トン、Southern Petrochemical Industries Corporation Ltd (SPIC)は10万トンで、SPIC以外はいずれもグジャラート州を拠点にしている。国内業界は海水から採取した塩を原料にソーダ灰を製造している。 昨年同業界は主に西アジアに10万トンを輸出した。業界筋によれば今年の輸出量は2倍に拡大する見通しと言う。