2001-06-06 ◆低調な小売市況がFMCGを直撃 【ムンバイ】小売業の最近の動向が中期・長期の潮流を示すものとすれば、著名な芸能人を雇ってブランド・イメージの売り込みに凌ぎを削って来たFMCG(fast moving consumer goods)業界は、深い痛手を被ることになりそうだ。 インディアン・エクスプレスが6月5日、市場調査会社ORG Margの最新データを引用し伝えたところによれば、昨年同月に比較した今年4月の小売売上の伸びは過去1年来最低の0.6%にとどまった。そればかりでなく、2月の4.7%、3月の2.8%、そして4月の0.6%と下降の一途を辿っている。ORG Margは、農村経済の引き続く低迷と、消費者情緒の落ち込みが、低調な小売市況の主因とするとともに、モンスーンが順調なら市況の復調が望めるとしている。 売上成績は、業種を問わず低調で、Hindustan Lever Ltd(HLL)、Nestle、Britannia、SmithKline等の大手FMCG企業も軒並み不振に陥っている。中でも農村部に照準を合わせた販促キャンペーンを展開して来たHLLが最も深刻な打撃を受けた。ColgateとCadburyはなお成長基調を維持しているが、HLLの4月の売上は4.7%の落ち込みを見た。過去6ヶ月間に最も大幅な売上の下降を見たのは、石鹸とお茶。Nestleの4月の売上の伸びは0.6%と、過去12ヶ月来の最低を記録した。4月のコーヒーとチョコレートの販売は、-2%及び-3.5%と、過去12ヶ月来初めてマイナス成長をマークした。離乳食とミルクフードもほぼ同様で、マギー・ヌードルは依然、プラス成長を続けているものの、往時の20%台から一桁成長に鈍化している。 こうした中でColgateは練り歯磨きのボリューム販売は縮小したものの、HLLほどではなく、全般に2~4%の成長を維持した。低価格製品の発売が、売上の落ち込みに歯止めをかけたようだ。Cadburyは同業界としては最高の5.4%の成長をマーク。Britanniaのビスケット販売は過去1年来初めて僅かな落ち込みを記録、SmithKlineの4月の売上も僅かに下降した。