1995-08-23 ◆<星・馬>経済過熱の危険依然大:クロスビー証券 【シンガポール】シンガポールとマレーシアの経済成長は鈍化しているものの、依然として域内諸国中景気過熱の恐れが最も大きい。 クロスビー・リサーチの四半期経済報告書によれば、中国及び香港の経済成長は調整期を迎え、インフレ圧力も軽減している。1993年のピークを経て調整期を迎えた香港経済は最も困難な時期を既に乗り越えたが、中国経済は依然成長鈍化の過程にある。中国/香港の金融市場は向こう6カ月間に拡大に転じるものと見られるが、輸出不振から成長鈍化は持続する見通しだ。中国経済の成長率は昨年の11.8%から今年は10%に減速、香港のそれは5.6%のレベルを維持するものと見られる。 シンガポールとマレーシアはリスクの大きい調整を要する一歩手前の状況に有る。輸出需要の軟化から丁度成長のピークを乗り越えたところだが、依然としてインフラ・プロジェクト等、既にパイプの敷かれた大型投資事業が控えている。このため1996年を通じて消費が更に拡大、国内総生産(GDP)成長率は適正レベルを上回りそうだ。コストや賃金の急騰、生産性の頭打ち等、景気過熱の兆候は顕在化しており、マレーシアの貿易収支も危険な兆候を示している。シンガポールの経済成長は今年は8.3%が見込まれ、昨年の10.1%から下降しているものの、その潜在的成長レベルを上回っている。シンガポール製造業界の労働力不足は生産を阻害する最も重要な契機で、過去2年来下降し続けてきた単位労働コストも上昇に転じている。 一方、フィリピンのインフレは加速しているが、タイ、インドネシアでは政府の引き締めもあって鈍化しつつあると言う。(BT:8/22)