2002-06-04 ◆マハラシュトラ州、電力危機の背景? 【ムンバイ】マハラシュトラ州及びその州都ムンバイにおける停電は、ニュー・デリーやインドの他の地域とは異なり、希な現象とされて来た。このため5月17日に州内の電力供給システムが崩壊し、マハラシュトラ州西部の多くの地域が闇に閉ざされた時、多くの人が共通して抱いた思いは信じ難いことと言うことだった。しかし、先週になって再度電力供給がストップしたことから、一体何事が生じたのかと不安が高まっている。 ビジネス・スタンダードが6月3日伝えたところによると、事件の背景としては、第1に、つい最近まで豊富な余剰電力を有したマハラシュトラ州が今や供給能力に1000MW(メガワット)の不足を来し、大規模な負荷制限(load-shedding)を迫られていることが挙げられる。 第2に、5月17日に発生した突風がParbhani地区の7つのダブル・サーキット・タワーと3つのシングル・サーキット・タワーを根こそぎにし、Chandrapur発電所からの電力供給が切断されたこと。この結果、Pune/Sangli/Satara/Sholapur/Kolhapur/Parbhani/Nanded/Hingoli地区は新鉄塔が建設されるまでの間は、深夜から午前8時まで1日8時間のみ電力が供給されることになった。 しかし第2のケースについては、移動鉄塔等、緊急修復システムを保持せぬマハラシュトラ州電力局(MSEB:Maharashtra State Electricity Board)の弱点が露呈されたと言える。 例えば、5月15日にはマドヤプラデシュ州のJabalpur/Itarsi地区でも12のサーキット・タワーが倒壊したが、電力供給は断絶しなかった。これは同地区の電力供給を手がけるPowerGrid Corporationが緊急修復システムを装備していたことによる。 そこで国内で最も財政基盤が強固な州電力局の1つに数えられるMSEBが何故緊急修復システムを装備していなかったのかと言う点が問題になる。その実、MSEBは1996年に1ユニット600万ルピー(US$12.2万)の緊急修復システムの導入を当時のShiv Sena-BJP州政権に対して申請している。しかし当時の州政府も現在の民主戦線(Democratic Front)政府も、同申請に対する承認手続きをとらず、放置して来た経緯が有る。Vilasrao Deshmukh首席大臣は、今回の事件後初めてMSEBに緊急修復システムの導入を指示した。 MSEBのA K Mago会長によると、同局は目下、PowerGridに対し、緊急修復システムの提供を申し入れていると言う。 しかしMSEBが緊急修復システムを手に入れたにしても、マハラシュトラ州が直面する電力供給不足が直ちに改善する見通しはない。 Dabhol電力事業の債権金融機関は、ダブホール・プロジェクト第1期分からの電力購入を再開するようMSEBに求めているが、マハラシュトラ州政府は、そうすることがダブホール・プロジェクトを巡る訴訟事件に不利な影響を及ぼすことにならないかどうか、法律専門家の意見を求めている。 マハラシュトラ州政府のGoolam Vahanvati法務官(Advocate-General)はビジネス・スタンダードの質問に対して「州政府は法的オプションを検討しているが、現状で自分が同問題にコメントするのは適当でない」と語ったと言う。