2002-11-19 ◆クロム選鉱政策に欠陥? 【ブーバネスワル】昨年は国内における選鉱能力のほとんど2倍のクロム選鉱(beneficiated chrome ore)が輸出され、政府のクロム鉱政策の欠陥が顕在化している。 ビジネス・スタンダードが11月17日消息筋の言として伝えたところによると、インドは昨年中国に60万トンのクロム選鉱(クロム精鉱:Chrome ore concentrateとも)を輸出したが、インドの選鉱設備能力は年産30万トンに過ぎない。このことは大量の高純度クロム鉱が、クロム選鉱として輸出されたことを暗示している。 選鉱とは、主に洗浄や磁気選別等を通じ鉱石の純度を高めることを意味し、直接使用することができない低品位のクロム鉱が選鉱の対象になる。選鉱政策の主旨は、低品位のクロム鉱を高付加価値のクロム鉄に転換後、これを輸出し、外貨を稼ぐことにある。 インド政府は高品位のクロム鉱の輸出は最大40万トンに制限しているが、低品位クロム鉱の選鉱を奨励する狙いから、クロム選鉱の輸出に関しては同規制を免除している。また高品位のクロム鉱をクロム選鉱として輸出することを防止するため、選鉱対象とされるクロム鉱の純度を最高33%までとする制限も設けた。しかし最近になって、『最高33%』のクロム鉱純度上限を『平均33%』に改めた。同修正により高純度のクロム鉱をクロム選鉱とセットにして輸出する抜け穴ができた。 例えば、54%の純度のクロム鉱は、選鉱を必要としない。この種の鉱石はたとえ選鉱しても純度を高めることはできず、尾鉱はゼロである。当局は選鉱過程で生じる尾鉱をモニターしているものの、排出される尾鉱の比率に関する規定はない。 消息筋によれば、同抜け道を通じ高品位のクロム鉱が中国に輸出されており、中国は1トンのクロム鉱も生産していないにも関わらず、今やクロム鉄の生産国になっている。 中国は大部分のクロム鉱をインドから輸入しており、中国向けクロム鉱の輸出量は1999年の37万3000メートル・トンから2001年の80万3000メートル・トンに拡大した。 こうした中で、最近の鉱業連盟(FIMI:Federation of mineral industries)の会合では、選鉱の対象になるクロム鉱の純度上限規定から“平均”の字句を削除すること、精鉱の定義を明確にすること、選鉱技術に詳細な規定を設けること等が提起され、国内におけるクロム鉱の消費を優先し、クロム鉱を輸出する際は、国内需要を満たした後にすること、選鉱に対するモニターを厳重にすること、クロム精鉱の最低価格はfriable chrome ore価格以上に設定すること等で合意したと言う。