2003-05-05 ◆BPOビジネス、スタッフ損耗率30-40% 【ムンバイ】競争と低マージンに抗して生き残りを図るBPO(business process outsourcing)企業にとって30~40%にのぼるスタッフ損耗率が頭痛の種になっている。 インディアン・エクスプレスが5月2日報じたところによれば、事業の拡張に全力をあげるBPO企業は、競争力を維持するためにコストを抑制する必要が有るが、賃金上昇とフィリピン等の同業者との競争に晒されている。 アナリストは賃金コストが10~15%上昇するならビジネスのファンダメンタルを動揺させると指摘する。 市場調査会社Gartner IndiaのSujoy Chohan副社長によると、他国の同業者との競争に勝ち、生き残るにはコストを低く保たねばならないが、スタッフの高い損耗率は雇用コストと訓練コストを上昇させる。雇用コストには、求人広告、応募者の選考、スタッフ奨励措置、訓練等の費用が含まれる。 地元大手BPO会社TransWorksのPrakash Gurbaxani重役(CEO)は「求人コストは上昇しており、新規雇用者には6週間をかけて訓練を施さねばならない」と語る。 サード・パーティーBPO企業は、過去6~9ヶ月、スタッフ損耗率の急上昇に直面している。その主因はGeneral ElectricやCitigroup等の多国籍企業がインド国内にキャプティブ・センターを設け、スタッフ募集を開始したためと見られる。 Chohan氏によると、こうした多国籍企業は大規模なバック・オフィス施設を設け、最初から大量のスタッフを雇用する。加えてInfosys等の地元情報技術(IT)大手や米国大手のConvergys等もBPOビジネスに参入した。こうしたことが地元サード・パーティーBPO企業に深刻な脅威を及ぼしている。 単調な作業とナイト・シフト等、BPOビジネスに固有の就業環境から、有る程度のスタッフ損耗は最初から織り込み済みだが、30~40%の損耗率は異常で、需要の急増、求人競争の過熱に伴うものと言える。 こうした中で、BPO企業は、長期就業の利益を拡大したり、上級職の外部からの雇用を止め、既存スタッフの昇進を優先する等、一連の対策を講じている。一部のものは学生のパートタイマーを雇用しているが、Gurbaxani氏は「一定のスケジュールに従って一定のプロセスをこなすには、カレッジ卒程度の成熟度と規律が必要とされ、学生には期待できない。訓練施設や職業斡旋施設を増設し、人材のプールを拡大すると言った長期的な構造改革が必要」と指摘する。 また、Chohan氏によると、米国では主婦やパートタイマーが産業基盤に組み込まれているが、インドがこうした方式を採用するのは難しい。米国では損耗率が60%に達するが、これはパート雇用に必然的に伴う現象と言える。これに対してインドでは依然として失業率が極めて高いことから、産業構造が強化され、安定期を迎えれば、スタッフ損耗率は下降するはずと言う。