2003-10-06 ◆鉄鋼大手、政府の介入示唆で10月の値上げ自重 【ニューデリー】政府が鉄鋼の値上がりをチェックする意向を表明したことから鉄鋼大手は、当面、如何なる値上げも見合わせる方針を決めたようだ。 インディアン・エクスプレスが10月1日伝えたところによるとTata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)のスポークスパースンは「10月中に直ちに値上げする必要性は見当たらない」と述べ、Essar Steel Ltd(ESL)オフィシャルは「値上げの提案は存在しない」と語った。またIspat Industries Ltd(IIL)も値上げを見合わせた。 鉄鋼製品は過去数ヶ月、全品目にわたり値上がりし続けて来たが、鉄鋼メーカーは、ここに来て顧客に四半期ベースの契約を求め、現状レベルでの価格の安定を図っている。 IILのVK Garg重役(マーケッティング担当ED)は「我々は月間ベースに替え四半期ベースの価格システムを顧客に提案しており、顧客の同意が得られれば、11月から新システムに転換する」と語った。 国営Steel Authority of India (Sail)のスポークスマンは「価格は市場の需要に応じて変化するもので、商業的見地から定められるべきだ。我々は価格動向に関して何もコメントすることを望まない」と語った。 こうした点から、ESL、TISCO、Sail、Jindal Vijaynagar、IILを含む鉄鋼各社は、10月は値上げせぬ方針を決めたものと見られる。しかしこれらの鉄鋼会社は、政府が鉄鋼市場に介入する姿勢を示したとの報道と、値上げ見送りとは無関係としている。これ以前にインド政府は『ユーザー業界の意向は配慮されるべきだ』と述べ、市場介入も辞さぬ姿勢を示したと伝えられていた。 鉄鋼省のVK Duggal次官は「鉄鋼価格は過去2ヶ月強化しており、例えば熱間圧延コイルのトン当たり価格は6月の2万ルピーから9月の2万1000ルピーにアップした。我々は企業に対して価格統制に関する如何なる指示も行っていない。価格は市場動向に委ねるべきだ」とコメントした。 これまでの鉄鋼の値上がりには、確かにインプット・コストの上昇も反映されていた。しかしTiscoに限ってはコスト・プッシュ要因は存在せず、同社は市場の需給バランスと国際価格に基づいて価格を設定して来たと言える。Tiscoスポークスマンは、「鋼板製品の70%は大口顧客との直接取引を通じて販売、残りの30%のみを小売り市場で販売している。加えて大部分の製品は高付加価値製品のため、価格変動の影響はそれほど受けていない」と語った。 鉄鋼価格は上昇したと言っても、1995-96年の水準には遠く及ばない。IILオフィシャルは、「9月のトン当たり価格は今年3月31日のレベルを1500ルピー下回っている」と指摘した。