2004-10-11 ◆浦項製鉄、インドとブラジルを天秤に? 【ワシントン】韓国のPohang Steel Corporation(Posco:浦項製鉄)がオリッサ州に80億米ドル以上を投じて年産1000万トンの製鉄所を建設することを提案したことから、インドは未曾有の外国直接投資(FDI)プロジェクトに沸き返っているが、Poscoは最終的にインドを見限りブラジルを投資地に選ぶ可能性がある。 エコノミック・タイムズが10月6日報じたところによると、Poscoはブラジルの鉄鉱山会社CVRDと、114億米ドルを投じ、北部ブラジルの深水港Sao Luis付近に年産1600万トンのスチール・スラブ製造施設を設ける交渉を進めている。 理屈の上からはPoscoがインドとブラジルの双方に投資することも考えられるが、金融面からその可能性は薄く、インドはブラジルとの投資誘致競争に競り勝つ必要がる。 ブラジルとインドの投資地としての優劣を比較して見ると、オリッサ州は高品質な鉄鉱石を産するが、ブラジルも同レベルかそれ以上の品質の鉄鉱石を産する。 CVRDはプロジェクトのコスト及びリスクをシェアする方針だが、インドにCVRDに匹敵する経済力を備えた地元パートナーが存在するか否かは明らかでない。 ブラジルにはオリッサ州のようにサイクロンが発生する恐れはない。 ブラジルの保持する深水港には世界最大規模のバラ荷船が寄港でき、海運コストを節約できる。これに対してオリッサ州は北部から運ばれて来た砂の堆積により深水港を建設するのが難しい。 ブラジルはオリッサ州に比べ鉄鋼製品の主要市場米国に接近しているが、中国には遠い。とは言えCVRDは既に中国最大の鉄鋼会社宝山製鉄所と提携、中国に製鉄工場を設け、中国への輸出を行っている。 ブラジルはオリッサ州同様豊富な鉄鉱石を有するがコークス用炭は存在しない。インドはコークス用炭を主にオーストラリアから輸入しているのに対して、ブラジルは米国から輸入している。ブラジルは大量の鉄鉱石を米国に搬送した船舶の帰路に、コークス用炭を積み込むことを通じ、海運コストを節約できる。