2004-12-13 ◆自由貿易協定を包括的経済協力協定に転換 【ニューデリー】インド政府は、全ての“特恵貿易協定(PTA:preferential trade agreement)”及び“自由貿易協定(FTA:free trade agreement)”を“包括的経済協力協定(CECA:comprehensive economic cooperation agreement)”に転換する方針を決めた。 インディアン・エクスプレスが12月11日報じたところによると、これは統一進歩連合(UPA:United Progressive Alliance)政府が、ここ数ヶ月積極的に推進して来た双務主義(bilateralism)を逸脱するもので、主要な政策転換と言える。 こうした方向転換の目的は世界貿易機関(WTO)をなだめることにあるようだ。WTOのSupachai Panitchpakdi事務総長はこのほどニューデリーで催された世界経済会議(World Economic Forum)の席上、PTA/FTA締結に余念のないインド政府に警鐘を鳴らした。 オフィシャルによると、CECASはPTAやFTAに比べ多国間会議の席で売り込むのに適した提案と言える。一般にPTA/FTAには二国間関税率の引き下げが含まれる。これに対してCECAはパートナー諸国間の外国直接投資(FDI)規則の緩和、投資や所得に対する免税措置、査証条件の緩和等をカバー、サービス貿易もCECAの対象に含まれる。CECAは、オープエンドで、二国間のより大きな、持続的関係をもたらし、協定コンポーネントを継続的に調整することもできる。これに対してPTA/FTAの使命は限定されている。 UPA政府は、国内的にもFTAが国内産業や消費者に不利益をもたらすと言う懸念をなだめる必要がある。FTAは国内産業から懐疑の目で見られており、PTAは第3国から制限的と見なされている。 こうしたことから、タイ/南米南部共同市場(MERCOSUR)/東南アジア諸国連合(ASEAN)との間で締結が目指されているFTAはCECAに転換される。インドは既にスリランカとCECAを結んでいる。南部アフリカ関税同盟(Sacu:South Africa Customs Union)との間のPTAは、南アフリカとのCECAに統合される。ロシア、中国、イスラエル等との間で進められている交渉も、単なるFTAではなく、CECAになる見通しだ。湾岸協力会議(GCC:Gulf Cooperation Council)及びシンガポールとの間では、既にCECAの締結交渉が進められていると言う。