2004-12-20 ◆自由貿易協定戦略はからくじ? 【ニューデリー】統一進歩連合(UPA:United Progressive Alliance)政府は、全世界の様々な国(地域)と二国間自由貿易協定(FTA:free trade agreements)を結ぶ戦略を積極的に推進しているが、各方面から「一体この種の戦略はインドにどれほどの恩恵をもたらすのか」と言う疑問が表明されている。 エコノミック・タイムズが12月18日報じたところによると、インドが既にFTAを締結、もしくは締結を準備している34ヵ国の中でインドの総貿易額の1%を上回る貿易相手国は中国、日本、シンガポール、マレーシア、タイ等、11ヵ国のみで、中でも10ヵ国の二国間貿易額は貿易総額の0.1%に満たない。またラテン・アメリカ、南アジア、アフリカ等の国との貿易が今後どれほど成長するかを推測するのは難しい。 最近交渉が進められている比較的大きな貿易パートナーの場合には、目に見えるポジティブな影響も予想されるが、例えばタイに関して言えば、一部の製造拠点がインドからタイにシフトする恐れもある。 これら34ヵ国の国内総生産(GDP)を見ると、インドの5分の1以上の規模を有するのは、日本741%、中国244%、韓国104%、ブラジル85%、サウジアラビア38%、インドネシア35%、タイ25%、アルゼンチン22%のみで、特に20ヵ国は10%未満である。こうした経済規模の小さい国との二国間貿易が譬え目覚ましい成長を遂げてもインドの総貿易に及ぼす影響は極めて小さい。 またこうした国々の経済が近い将来目立った成長を遂げる見通しもそれほど大きくない。国際通貨基金(IMF)の統計によれば、2003年には34ヵ国中8ヵ国(主にアジアと中東)の経済が6%以上の成長を遂げたが、2005年までには大部分の国の成長率が2003年のそれを下回るものと予想されている。 とは言え、中国、日本、シンガポール、アラブ首長国連邦は、インドのトップ10貿易パートナーに名を連ねており、こうした国とのFTA締結はある種のポジティブな影響も期待できると言う。