2005-01-19 ◆当局、移転価格に対する事前確認否定 【ニューデリー】インドに設けた完全出資子会社から特許権使用料(royalty)、利子、技術サービス料(fee for technical services)等の支払いを受ける外国の親会社は、移転価格(transfer pricing)に関する事前確認(advance ruling)を受けられない。 エコノミック・タイムズが1月17日伝えたところによると、これはインドに移転価格規則が導入されて以来初めての裁定で、医療機器の製造販売を手がけるInstrumetarium Corporation of Finland(ICF)社が行った訴えに対して下されたもの。 関係法は、「関連会社間の国際取引により生じた如何なる所得も独立企業間価格(Arm's Length Price)に基づき算定されねばならない」と定めている。その意図は、グループ企業間において不正に操作された価格が徴収、もしくは支払われることにより利益が国外に持ち出されるのを防止することにある。 インドに設けた完全出資子会社Datex-Ohmeda (India) Pvt Ltd(DOI)に3億6000万ルピーの無利子ローンを提供する契約を結んだICFは、事前確認局(AAR:Authority For Advance Ruling)に対し、DOIとの以上のローン契約は独立企業間価格に基づいて算定されるのか否か、また移転価格規則を遵守せねばならないのか否かを質した。これに対して事前確認局は、「不特定の財の公正な市場価格の算定を含んでいる独立企業間価格は判断の域を超える」と回答した。 AARは非居住者の税務を管轄しており、以上の回答は、外国の親会社が移転価格に対する確認を得られないことを意味する。 国際会計会社Deloitte Haskins & SellsパートナーのSamir Gandhi氏は、「AARの公正な市場価格判定能力には確かに限界が有るが、事前確認制度(APA:Advance Pricing Agreement)が存在しない現状では、納税者は依然として同局に移転価格の確認を求める選択肢を考慮したのだろう」とコメントした。 APAは移転価格に関する当事者と当局の事前確認制度で、専門家らは、インドも他の多くの国同様、APAメカニズムを導入する必要があると指摘する。 AARは、「外国企業は移転価格条項を遵守せねばならない」と述べているが、Gandhi氏によると、このことは、インド子会社が既に移転価格に関するルールを遵守しているにしても、外国の親会社もまた著作権料や技術サービス料の受領に際しては、同ルールに準じた手続きをせねばならないことを暗示している。 移転価格に関する初年度の監査が目下進められていることから、AARの以上の裁定は重要な意味を有する。外国企業筋は「インド子会社から徴収される利子の独立企業間価格に執着すれば、実際のところインドの税収を減少させることになる」と指摘したが、この点に関してAARは「それは事前確認問題外のこと」と一蹴した。