1995-10-25 ◆<星>世界的チップ不足、通信機器メーカーを直撃 【シンガポール】世界的な半導体チップ不足は通信機器メーカーを直撃、関係機器の値上がりを生じさせている。 業界筋によれば、ある種のチップには配給制が敷かれ、一部の顧客は必要量の10%しか手に入れられぬ状況にある。ジュネーブで出版されたニュースレター“テレコム95デーリー”によれば、チップ不足は更に1年間持続する見通しだ。AT&Tネットワーク・システムズのゲリー・バターズ国際公衆ネットワーク部門担当社長も「これほど深刻な不足は経験したことがない」と語る。通信機器業界を襲ったたチップ不足は特に交換機やモービル・フォーン用のプリント基板に顕著とされる。AT&Tなどは独自に有る種のチップを生産しているものの、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)等の汎用チップはSGSトムソンやテキサス・インストルメンツから供給を受けている。過去数年半導体チップ需要は年率13%の成長を見てきたが、皿洗い機からインターネット・サーバーに至る広範な需要拡大に、ウィンドウズ95登場に伴う、膨大なPC(パソコン)ユーザーのアップグレード需要も加わり、ここに来て需給バランスに大幅なギャップが生じたようだ。データクウェスト・ヨーロッパのアナリストは、もし部品供給さえ確保されれば、今年だけで新たに50万セットのハンドフォーンが売れるはずと予想、需要は供給を20%ほど上回っているとしている。しかしウエハー工場の建設には10億米ドル以上の投資を要し、建設にも時間がかかる。加えて半導体メーカーは需要の先行きも考え、この種の大型投資に慎重姿勢を保っている。こうしたことからデータクウェストの先のアナリストは現状打開の鍵は通信機器製造業者が、セミコンダクター・メーカーに需要の持続的拡大を信じさせることができるか否かに掛かっていると指摘する。(ST:10/24)