2005-12-12 ◆インドASEAN自由貿易協議難航 【ニューデリー/クアラルンプル】インドと東南アジア諸国連合(ASEAN)の自由貿易協定(FTA)交渉は、輸入関税の引き下げ問題を巡り難航しているようだ。 ビジネス・スタンダードは12月9日、ASEAN加盟10カ国がインドに対して農産品と非農産品の90%に対する輸入関税を20011年までに撤廃し、残る10%の関税も20011年までに10%に引き下げるよう圧力をかけていることが、貿易交渉難航の主因と報じた。 同紙がインド政府筋の消息として伝えたところによると、ASEANの要求を受け入れるなら、インドの世界貿易機関(WTO)における基本姿勢も揺るがすことになる。インドはWTOに対して、開発途上国の農産品の20%を特例枠とし、関税率の引き下げをゼロもしくは最小限にとどめる柔軟な対応を求めている。 インドとASEANは原産地規則(rules of origin)に関しては、今月初に『35%の付加価値』と『関税番号の変化(CTH:change in tariff heading)』に基づく2段階の基準を採用することで合意した。『35%の付加価値』基準に関して言えば、タイとシンガポール間で合意された『40%の付加価値』に比べてもよりリベラルなものと言える。 ASEANはまたインドに対して関税引き下げの対象から除外するいわゆる『ネガティブ・リスト』を縮小するよう求めている。しかしバングラデシュ・インド・ミャンマー・スリランカ・タイ経済協力機構(BIMSTEC)のネガティブ・リストは1000品目前後であることから、ASEANとの間のネガティブ・リストがこれを下回ることはできない。何故ならタイ等の一部の国はASEANとBIMSTEC双方に加盟しているからである。 観測筋によると、インドASEAN間のFTAは、ASEANメンバーとの二国間協定に優先するため、インドASEAN自由貿易交渉の遅れは、タイやインドネシアとの自由貿易交渉も遅らせることになると言う。ちなみにインドとASEANは2003年10月に包括的経済協力(CECA:comprehensive economic cooperation)に関する枠組み協定を結んでいる。 一方、ASEANのOng Keng Yong(王景栄)事務局長は、クアラルンプルにおけるASEANサミットに平行して開かれたビジネス・フォーラムの席上、「東南アジアとその周辺国のFTA交渉は問題に直面しているが、関係諸国は依然として交渉の妥結を目指している」と述べ、自由貿易協議が難航していることを認めた。 インディアン・エクスプレスが12月11日伝えたところによると、王氏は取り分け日本及びインドとの協議に関して「我々は極めて困難な交渉を進めている。しかし何らかの満足いく合意に達することができるものと信じている。大きなハードルが存在するもののFTA交渉を妥結させることは極めて重要」と強調した。