2006-11-22 ◆Tata、CSNのCorus買収提案の行方観望 【ムンバイ】Tataグループは、ブラジルの製鉄会社CSN(Companhia Siderurgica Nacional)の英蘭鉄鋼メーカーCorusに対する買収提案の行方を当面観望する他ないものと見られる。先週金曜、Corus株主に対して1株475ペンスで公開買い付けを提案し、市場を驚かせたCSNは、間もなくCorusのデューディリジェンスに取りかかる見通しだ。CSNの上記提案価格はタタ・グループの公開買い付け価格を20ペンス上回っている。 エコノミック・タイムズが11月20日伝えたところによると、Corus買収交渉に関わるタタ・グループ幹部は「現在提出されている買収案はタタのものだけで、CSNのいわゆる買収案は単なる書面(letter)による意思表明に過ぎない」と語った。CSNはデューディリジェンス後、12月4日のCorus特別総会の席で正式に提案を行うものと見られる。 タタ・グループはCorus取締役会が文化の相違を理由にCSNの提案を拒絶するよう期待しているものと見られる。しかし主要株主のStandard Life等が、タタの買収提案価格はCorusの実質価値を過少評価していると不満を訴えているため、Corus取締役会もCSNの提案を無碍に断ることはできない。 CSNの買収案は、依然として買収資金の金融アレンジやCorus取締役会の回答にかかっているが、仮にCSNが正式の買収案を提出するなら、タタは、これを座視するか、同額の買収提案を行うか、CSNの提案価格を上回る価格を提案するか、何れかである。 実質的には第3のオプションのみだが、そうなれば買収価格は90億米ドル近くに膨張する。一部のアナリストはタタが1株500ペンス、したがって92億米ドルの買収をオファーしても驚くには当たらないと評している。しかし他のものは仮に買収総額が92億米ドルに達するなら、タタ・グループにとって高価な買い物と指摘する。同価格を高いと見るか、妥当と見るかはタタがCorus買収に如何なる効果を期待しているかにかかっている。 興味深いことは、CSNの米国におけるWheeling-Pittsburgh Corp買収計画は、後者がシカゴ拠点のEsmarkを身売り先として選んだため、挫折している。またCSNのOtavio Lazcano財務担当重役(CFO)は、同社のCorus買収計画には、財政的限界が存在することを認めている。 一部のアナリストはまたCSNの買収提案に触発され、ロシア企業SeverstalがCorus買収戦に加わる可能性を予想する。後者は現在US Steelの買収に関心を寄せているが、同試みが不成功に終わるなら、Corus買収競争に参戦する可能性は大きいと言う。