2007-11-09 ◆インフレ率大きく超える給与の伸びに懸念 【香港】インドの企業労働者の給与の伸び率は世界最大であるとの調査結果が発表され、急速な経済成長が続くこのアジアの大国において給与インフレの懸念が強まりそうだ。 ビジネス・スタンダードが11月6日報じたところによると、インドの企業労働者の給与は今年、推計で平均14%増加した。2008年は平均15%増が予測され、この傾向は今後も続くとみられる。これに対して、今年のインフレ率は5.7%、2008年は5.4%が予測されている。 この調査は人事コンサルタント会社Towers Perrinが世界の4000社以上を対象に2カ月にわたり実施した。それによると、インドの労働者給与はエグゼクティブから工場労働者までほぼ全体で増加しており、急成長するもう一つのアジアの大国、中国を凌駕している。中国の労働者給与は今年8%増加、2008年は9%の増加が予想され、インフレ率は今年3.6%、来年3.5%と予測される。 調査はインドの役員報酬が非常に高額な米英の役員報酬を除いた世界平均と同水準かそれを上回る場合もあることを示している。エグゼクティブサーチ会社BoydenのDinesh Mirchandaniインド法人社長は「インドのチーフエグゼクティブはかつて外国の3分の1か4分の1のコストで採用できた」と語る。 インドの給与上昇は、経済の牽引役であるIT分野などで人材不足の懸念が強まるなか進行している。Microsoftは先月、コンピュータサイエンスの学位をもつ人材の不足がITアウトソーシング拠点としてのインドの地位を脅かす可能性があると指摘した。 給与の伸び率がインフレ率の約2倍である国は、アジアではインドのほかにインドネシアがある。インドネシアのエグゼクティブ給与の伸び率は今年11%、2008年は12%、インフレ率は今年6.3%、来年は6%と予測される。 ベネズエラのエグゼクティブ給与の伸び率は今年と来年ともに名目で20%を超え、世界最大の伸び率だが、来年22.5%に達するとみられるインフレで相殺されてしまう。 他方、コンサルタント会社Mercerが最近発表した調査によると、アジア太平洋地域の雇用主の64%が従業員をつなぎとめるインセンティブとして職業訓練に投資しているが、給与増に投資している雇用主はわずか27%だ。この調査では、対象750社のうち92%が雇用主にとっての難題はエンジニアリング、セールス、マーケティングなどの業務を行う適材の確保とつなぎとめだと回答している。