2008-07-28 ◆アニメ産業の就業展望暗澹 【バンガロール】アニメ産業の就業機会に陰りが生じている。大部分のスタジオは新規雇用を停止しただけでなく、既存スタッフの削減を図っている。このため同業界技術者の就業見通しは暗澹としていると言う。 エコノミック・タイムズが7月21日伝えたところによると、ボリウッド・フィルム『Kuchi Kuchi Hota Hai(Something Happens)』のアニメ版を制作中のPrana Studioは最近100~120人のアーティストを解雇した。UTV Toonsの70~100人のスタッフも同社が『Arjuna』と『Dream Blanket』の制作から手を引いた後、新たな仕事を見い出すことができず、不安な状況に立たされている。 業界観測筋によると、大手スタジオの多くはアウトソーシング・ビジネスから手を引くか、この種のビジネスを縮小して独自の知財創出にシフトしている。ターゲットとされている知財はアニメ・フィルムだが、大部分のスタジオはその種のプロジェクトを手がけた経アもノーハウもない。このためプロジェクト・コストが嵩み財政難に直面、人員削減を強いられていると言う。 Crest AnimationのAK Madhavan重役(CEO)は「アニメ産業の不振は聞いているが、海外プロジェクトに照準を合わせたCrestは、コンスタントに新たな仕事を手に入れている」と語った。 UTVが手がけて来た『Arjuna』と『Dream Blanket』は、それぞれTata ElxsiとPrime Focusが引き継ぎ、両スタジオは50人余りのアーティストを新規雇用した。両プロジェクトの予算は各40クロー(US$937万)前後と見積もられる。 UTVは目下、タミールナド州Chennaiのスタジオで『Alibaba』の制作を手がけているが、なお初歩的段階にある。消息筋によると、UTVはアニメーション・スタジオ・モデルから徐徐に手を引きアニメーション・プロジェクトにのみ資金を投入する政策の転換を図っている。後者は『UTV Motions』と言う独自バーナーで配給されることになると言う。 公式発表によれば、インドのアニメーション産業は年率35%の成長を遂げており2009年には9億5000万米ドルの市場規模を備える見通しだ。目下同業界の専門技術者は1万人を数え、今年末までに新たに2万3000人を必要とする。このためソフトウェア・サービス会社全国協会(NASSCOM:National Association of Software and Service Companies)は、この方面の人材育成支援に本腰を入れている。しかし業界観測筋は、既存技術者が就職難に陥っている現状で、果たして新たな人材を育成する必要があるのかと疑問を呈していると言う。