2008-12-17 ◆鉄鋼業界、年産8500万トンの目標放棄 【ニューデリー】インド鉄鋼業界の大手企業は、公式には認めていないものの、2011-12年までに鉄鋼完成品の国内年間総生産量を8500万トンに拡大する目標を最早放棄したようだ。 ヒンドゥー・ビジネス・ラインが12月12日報じたところによると、鉄鋼省の幹部は「過去3ヶ月、主要鉄鋼プロジェクトにさしたる進捗は見られない。州政府が関係する新規プロジェクトは停頓しており、拡張プロジェクトは融資機関との再交渉を強いられ、遅延している」と語った。鉄鋼会社各社の幹部らも、資金調達難に直面していることを認めている。サプライヤーズ・クレジットも後を絶ち事態は一層深刻化している。 Tata Steel Ltd(TSL)が鉄鋼省に報告したところによると、同社のジャールカンド州Jamshedpurにおける拡張計画は続行中で、環境認可も取得した。オリッサ州Kalinganagarにおける新鉄鋼プラント用に取得した一部の土地は違法入植者により占拠されている。詳細プロジェクト調査は完了したものの、不法入植者の排除作業は遅れている。チャッティースガル州とジャールカンド州に新鉄鋼プラントを設ける計画も進捗していないと言う。 Essar Steel Ltd(ESL)はグジャラート州Haziraにおけるプロジェクトを進めている。オリッサ州Paradeepに新鉄鋼プラントを設ける計画は既に151エーカーの用地を手に入れたものの、それ以上の進捗は見られない。チャッティースガル州Dantewadaに新プラントを設ける計画については用地買収通知を送付し、Bailadila鉄鉱山のNo3/6/7/9鉱床の探鉱ライセンスも取得した。しかしジャールカンド州におけるプロジェクトはほとんど進捗していない。 JSW Steel Ltdは目下カルナタカ州Vijaynagarプラントの拡張計画を進めている。西ベンガル州における新規プロジェクトに関しては3800エーカーの政府所有地を譲り受け、先月起工式を催した。しかしジャールカンド州におけるプロジェクトは、依然、計画立案の段階にある。 Jindal Steel & Power Ltdはチャッティースガル州Raigarh工場拡張のため200エーカー、オリッサ州Angulの新工場用に1700エーカー、ジャールカンド州では別に600エーカーの土地を、それぞれ取得した。オリッサ州とジャールカンド州における環境認可と水供給許可も得ている。しかし消息筋によると、同社は目下のところ海外における事業展開により大きな関心を抱いているようだ。 Ispat Industries Ltdはマハラシュトラ州Dolvi工場の拡張計画を進めているが、消息筋によると、市況が低調なことから様子を見ながらスロー・ペースで進めていると言う。 Poscoはオリッサ州政府から約200エーカーの政府用地を譲り受ける認可を得たものの、既に手に入れた土地の森林保護に関する認可をまだ取得していない。専用港プロジェクトの環境認可と沿岸規制地区(Costal Regulatory Zone)認可もかなり以前に取得したが、それ以上の進捗は見られない。 ArcellorMittalはオリッサ州Keonjharとジャールカンド州Torpaにおけるメガ鉄鋼プロジェクトの用地の目星をつけ、小規模な鉄鉱床の割当を得たものの、計画はそれ以上進捗していない。同社はプロジェクトの見積もりコストを5万クロー(US$100億)から8万クロー(US$160億)に上方修正している。 一方、インディアン・エクスプレスが13日伝えたところによると、地球科学者&応用技術学会(SGAT:Society of Geoscientists & Allied Technologists)は、「国内鉄鋼生産目標が世界景気の停滞から見直しを強いられる」との見通しを発表した。SGATのMV Rao総務理事はSGATが12日主催した『鉄鉱石の起源と開発技術』と題するセミナーの席上、「2019-20年の国内鉄鋼年産量を2億トン以上に拡大すると言う目標は達成不能になった」と語った。他の多くのスピーカーも鉄鋼生産目標の実現に疑問を呈した。