2009-09-08 ◆自動車業界、GST導入で戦略に抜本的見直し 【ニューデリー】インド政府が近く商品サービス税(GST:goods and services tax)を導入するのに伴い、既存の中央消費税(CED:central excise duty)/サービス税(ST:service tax)/州付加価値税(VAT:state value-added tax)/中央販売税(CST:central sales tax)はGSTにに取って代わられる。その結果、ビジネスの方式も変化せざるを得ず、取り分け自動車業界は準備に暇がないようだ。 インディアン・エクスプレスが9月5日伝えたところによると、自動車メーカーは、ディーラーに車を売り、ディーラーはその車を末端消費者に販売するとともにサービスも手がける。ディーラーによる販売活動の80%以上は、車が製造される州とは別の州で行われる。 メーカーは工場で製造した車をディーラーに直接販売するか、全国各地に設けたデポやストックヤードに輸送する。前者の場合、異なる州間の販売には2%のCSTが課されるが、後者の場合、税は課されない。VAT法はタックス・クレジットの留保や割引を認めているが、後者の場合、ディーラーはCSTをVATで相殺することができず、税クレジット・チェーンに断絶が生じる。 GSTが導入された後は、税クレジット・チェーンの断絶は生じない見通しだ。消費税としての性格上、GSTは商品の販売がどの州でなされようと、商品が消費される州で課される。このためGST方式とそれ以前の税制の間には、課税がどの時点でなされるかと言う点で、根本的な相違が生じる。 現在、商品の輸送には如何なる税も課されないが、GST制度の下では、商品の移動を含む全てのサプライに税が課される可能性がある。もしそうなら、この種の移動は最小限にとどめねばならない。何故なら税コストを差し引く販売価値は何ら存在しないからである。また仮に全てのストックの移動に先立って税が前払いされるとすれば、多額のキャッシュフローも生じる。 これまで自動車メーカーは、競争力有る税制奨励措置をオファーする州に新規投資を集中して来た。しかしGST制度の下では、製造工場が設けられる州では、他州へのサプライに際して如何なる税も徴収されなくなる。したがって現在、CST減免の奨励措置を設けているウタラーカンド州やヒマチャルプラデシュ州等も、投資誘致戦略に見直しを加える必要がある。 今日、部品/コンポーネントの納入業者がカー・メーカーの隣接地に工場を設ける理由の1つは、VATクレジット・チェーンの断絶を恐れるためだが、GST制度の下では、そのような配慮は不要になる。 GSTレートが16~18%の範囲に設定されるなら、自動車産業全体にとって吉報と言えるかも知れない。しかしこうした利益を最大限に享受するには、既存の戦略を転換せねばならず、そこにはチャンスとともにリスクも存在すると言う。