2010-01-26 ◆ASEAN/韓国とのFTA調印とビジネス展望 【ニューデリー】東南アジア諸国連合(ASEAN)および韓国と2009年8月に自由貿易協定(FTA:Free Trade Agreement)を結んだインド政府は最近、これらFTAの下、2010年1月1日より発効した特定商品に対する関税面の利益に関する通達を行った。 インディアン・エクスプレスが25日報じたところによると、ASEANおよび韓国とのFTAの締結は、東アジア諸国の成長の果実を汲み取ることを目指したインド政府のルック・イースト政策の帰結とも言える。 FTAの下、特定商品に適応される関税利益は、基礎関税(basic custom duties)に関するもので、付加税(additional duties)については所定の率で引き続き徴収される。 ASEANおよび韓国とのFTAは共に、これ以前にインドが他国と結んだ類似の協定に比べ、特に付加価値成分(value-added content)に関して、原産地規則(ROO:rules of origin)の内容を自由化している。例えばインド・シンガポール包括的経済協力協定(CECA: comprehensive economic cooperation agreement)では、非原産材料(non-originating materials)に付加価値成分40%、4桁の関税番号分類(CTC:change in tariff classification)が適応されているが、ASEANおよび韓国とのFTAでは、非原産材料に付加価値成分35%と、6桁の関税番号分類が適応されている。 またASEANとの協定の関税率は、韓国との協定に比べ、インドの輸入業者に有利な内容になっている。とは言え、個々の品目に関しては必ずしもそうとは言えない。例えば鋼材輸入業者にとっては、韓国との協定の方が有利であり、砂糖、砂糖菓子、ココア、ココア調理原料、写真、映画フィルム、機械等の輸入業者にとっては、ASEANとの協定の方が有利である。 ビジネスを計画する上からは、事業体が個々のFTA下の現行有効税率を知ることは不可欠だが、原料および完成品輸入税率の将来の引き下げ幅を知ることも重要である。こうした総合的展望をもって初めて、輸入品の税コストを配慮した戦略を立てることができる。 製造するか、輸入するかを決める際には、FTA下の税率の変化を配慮した税コストの見積もりが極めて重要な契機になる。 例えば、インドでアルミニウムを製造するものは、2014年以降、ASEAN諸国からの輸入が自由化されることに伴う競争の過熱を覚悟せねばならない。その一方で、2013年末までにアルミ圧延製品に対する基本関税が段階的にゼロまで引き下げられることにより、インプット・コスト下降の恩恵を享受するものも存在する。 多くの場合、取り分け韓国との協定に関しては、2006年の基本関税率が、税率引き下げの基準にされており、2006年以降の引き下げが、通達された税率に反映されていないことを配慮する必要がある。つまり現行有効税率の引き下げ率は、FTA下に通達された税率の引き下げより、緩やかなものになる可能性がある。例えば、HSN 8430に分類される機械の現行有効関税率は7.5%だが、韓国とのFTAでは10.94%を基準にしている。 ASEANおよび韓国と結んだ2つのFTAの地元付加価値成分規定を統一することが予想されるが、同種商品(identical goods)、商品(goods)、間接材料(indirect materials)等の定義の共通化や、地元付加価値成分算定方法の統一は、輸入業者の煩雑な事務処理負担を軽減することになる。