2010-06-18 ◆インド鉄鋼メーカー、一層の値下げ検討 【ムンバイ】需要軟化から世界の大部分の地域で鋼材が値下がりしており、独立国家共同体(CIS)ではトン当たり600米ドル以下に下降、中国、欧州、米国でも値下がりしている。こうした中で6月1日にトン当たり1000~1500ルピー値下げしたインド鉄鋼業界も一層の値下げに踏み切るものと予想されている。 ファイナンシャル・エクスプレスが6月16日報じたところによると、Ispat IndustriesのNil Surekha財務担当重役は、「需要が軟化しており、価格の一層の落ち込みが予想される」と指摘した。 安い輸入品の流入も価格軟化の一因と見られる。現在熱間圧延コイル(HRC)のトン当たり価格は3万2000ルピーと、先月に比べ2000ルピー下降している。インドの国内需要はモンスーン到来の影響で軟化しており、また鋼材バイヤーの購買意欲も低下している。こうしたバイヤーは在庫整理を図っており、一段落したら再び買いに回るものと見られる。 しかしJSW SteelのSeshagiri Rao財務担当重役(CFO)兼MD補は「世界的に鋼材価格はトン当たり100米ドル下降しており、インドの国内メーカーも6月1日に値下げしたばかりだ。ここ数週間の需要は持ち直しており、今後一層値下がりする余地はそれほど大きくない」と指摘した。 市場アナリストらは、インドの国内需要は依然良好だが、国内鉄鋼メーカーがトン当たり1000~1500ルピー再度値下げしても驚かないとしている。 ムンバイ拠点のアナリストは「中国のトン当たり価格は530~550米ドルと、ほぼ底値に達しているが、欧州の価格は同700~740米ドルで、今後トン当たりさらに50米ドル値下がりする可能性もある」と指摘した。 JP Morganによれば、欧州の鉄鋼メーカーは第3四半期に生産を削減して価格の下支えを図った。先週は、ArcelorMittalが欧州の高炉3基の操業を停止し、需要軟化に応じる可能性を検討中と報じられた。 インド鉄鋼省のAtul Chaturvedi次官は今月初、「欧州の金融危機とモンスーンに伴う国内需要の軟化から、4月以来既にトン当たり5000ルピー値下がりしている国内鉄鋼価格が一層下降する可能性も予想される」と語った。 現在条鋼のトン当たり価格は2万4000~2万5000ルピー、鋼板のそれは3万2000~3万4000ルピーとなっている。