2010-07-07 ◆インドの通信革命は、オペレーターにとっては悪夢 【ムンバイ】インドの通信革命は消費者に恩恵をもたらしたが、通信会社にとっては悪夢に他ならず、今後ますます厳しさを増し、1年後には業界再編が生じるものと見られる。その時現在存在するオペレーター15社中何社が生き残れるかは未知数と言う。 エコノミック・タイムズが7月4日報じたところによると、最近完了した第三世代(3G)移動体通信周波数域及び広帯域無線接続(BWA:broadband wireless access)周波数域入札の落札価格は当初の予想を遙かに上回った。加えてこれも全く想定外のインド最大のコングロマリットReliance Industries Ltd(RIL)が、全国22サークルの周波数域を手に入れた唯一の企業を買収し、戦線に加わった。この他、外資を背景にした新規プレーヤーTelenor、Sistema、Etisalat等も、サービスを開始する中で、既に底値に達したと見られていた通話料金の一層の下降が予想される。頼みの綱は、データ通信ビジネスだが、こちらは売り物のサービス・パッケージも、ターゲットとする顧客層もまだ形成されていない。 野村證券によれば、Bharti、Reliance Comm、Idea、Vodafone Essarの2010年3月期四半期の1ユーザー当たりの平均電気通信事業収入(ARPU:average revenue per user)は4米ドルと、1年前に比べ30%下降した。これに対してChina MobileのARPUは10.30米ドルだった。 ユーザー6億を有し、毎月1600万の新規ユーザーが加わるインド携帯電話市場は、中国に次いで世界第2位にランクされ、携帯電話オペレータにとっては、我が世の春のはずだが、中国とインドの基本的相違は、前者のオペレーターが僅か3社であるのに対し、インドには既存オペレーターだけで12社も存在すること。今後は15社による一層熾烈な競争が展開され見通しだ。 予想される業界再編は、市場環境の改善に役立つと見られるが、インドにおける通信ライセンス取得者は3年間はライセンスを手放すことができない。したがって2008年に2G周波数域を取得したものでも、少なくとも来年までは市場から撤退することができない。 こうした中でBhartiとIdea Cellularの株価は、ピーク時の半分以下に下降、Reliance Commに至っては76%値下がりした。Bhartiに32%出資するSingapore Telecommunicationsの第1四半期利益は過去3年来初めて下降したが、これにはクウェートの電話会社Zainのアフリカ資産を、Bhartiが90億米ドルで買収した最近の取引が影響しているとされる。また先日、通信タワー・ビジネスを売却し、負債を半減させたReliance Commは、さらに26%の同社権益売却を目指し、MTN、AT&T、Vivendi等に接触したものの、反応は冷淡で、僅かにアブダビ拠点のEtisalatが関心を示したにとどまったと言う。