2010-09-10 ◆中印両国外交論争の背景 【ニューデリー】インドと中国の二国間貿易はブームを呼んでいるが、それとは対照的に外交面ではカシミール問題等を巡り不協和音が高まっている。 ファイナンシャル・エクスプレスが9月8日伝えたところによると、Manmohan Singh首相は最近、「南アジアにおける影響力の拡大を図る中国は、カシミールを巡るインドの弱点につけ込む恐れがある」と警鐘した。北京はカシミール問題に関して過去数十年、穏和な政策を維持して来たが、昨年になって同地区の住民に特別ビサを発行、より強引な政策に転換する兆候を見せている。インドは、パキスタンも領有権を主張しているこの紛争地帯に外国の力が及ぶことに敏感な反応を示しており、昨年米国と中国がインド/パキスタン関係の改善を呼びかける共同声明を発表した際には、インドは激高した。 中国は先月、ジャム&カシミール地区を担当するインド将官に対するビサの発給を拒絶、これを受けてインドは中国との国防協力関係を打ち切った。1962年にカシミール国境地帯で軍事紛争が発生して以来、両国の国防協力は、軍関係者の相互訪問や時折行われる低レベルの演習に限られ、インドと米国の国防協力のスケールと複雑さには比べられない。インドは毎年米国と軍事演習を行っている。 少なからぬアナリストは、民生用核協力協定の締結は単にインドと米国の関係の転換点を成しただけでなく、中国との関係にも間接的影響を及ぼしたと見ている。それによると、同協定を中国をターゲットにした米国のパワー・ゲームの一環と見た北京は、その報復としてパキスタンに新型核反応炉を供与することを提案した。 中国の戦略的支援はパキスタンにとどまらず、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマーにも及んでおり、インドは伝統的に自国の勢力圏と見なして来たこれらの諸国への中国の浸透に神経を尖らせている。 パキスタンのGwadar港、スリランカのHumbantota港、さらにはミャンマーとバングラデシュにおける港湾建設を支援する北京は、いわゆる『真珠の数珠(string of pearls)』戦略に基づきインド洋を全体をカバーする港湾ネットワークを構築、インドと米国海軍のプレゼンスに挑戦しようとしている。 インドはこうした北京の包囲網が、南アジアにおけるインドの指導権を喪失させ、ひいてはインドのグローバル・アスピレーションを破綻させるのではないかと懸念している。 インドと中国は、世界市場において、資源、取り分けエネルギー資源の獲得競争も展開している。