2011-01-18 ◆12月の総合インフレ率8.43%に加速 【ニューデリー】食品価格の高騰を背景に2010年12月のヘッドライン・インフレーション(総合インフレ)は、前月の7.48%及び前年同月の6.92%から8.43%に大幅に加速した。中央統計局(CSO:Central Statistical Organisation)は14日以上の数字を発表するとともに2010年10月のヘッドライン・インフレーションについてもこれ以前に発表した暫定数字8.58%を9.12%に上方修正した。 デカン・ヘラルド、ファイナンシャル・エクスプレス、エコノミック・タイムズ、ビジネス・スタンダード、ザ・ヒンドゥーが1月14/15日伝えたところによると、WPIの14.3%の比重を占める食品インフレは前月の9.41%から13.55%に、食品/非食品を含む一次産品部門のインフレ率は同13%から16.46%に、それぞれ加速した。燃料/電気部門のインフレ率も前月の10.32%から11.19%にアップした。WPIの64.9%の比重を占める製造業部門の年率換算のインフレ率は前月の4.56%から4.46%に鈍化したものの、指数そのものは前月に比べ0.4%アップしており、非食品製造品目のインフレ率は前月の5.3%から5.4%に加速した。 卸売物価指数(WPI:wholesale price index)をベースにしたヘッドライン・インフレは、比較の対象になる前年同期の数字が高水準だったことに伴うベイス効果(base effect)と食品価格の軟化から2010年4月以降鈍化傾向を辿り、2010年8月には5ヶ月連続した二桁の上昇率が一桁にまで沈静した。こうした中で、ポリシーメーカーらは12月にはヘッドライン・インフレが6%台に鈍化すると予想したが、最近になって食品インフレが再度過熱したことから、同見通しを改めていた。政府は13日には食用油、豆類、非バスマティ米の輸出規制を発表した。しかし小麦の輸出規制やある種の商品先物取引の規制は見合わせた。 Pranab Mukherjee蔵相はこの日「今日のレベルの食品インフレを許容することはできない」とコメント、首相経済諮問委員会(PMEAC:Prime Minister's Economic Advisory Council)のC Rangarajan委員長も、「12月のインフレ率は当初の予想を大きく上回った。こうした状況からすれば、中央銀行サイドで何らかの引き締め措置を講じる必要があるかもしれない」と語った。こうしたことから、多くのアナリストや観測筋は中央銀行Reserve Bank of India (RBI)が1月25日に四半期金融政策見直し報告を発表する際、主要政策金利をさらに引き上げるものと予想している。しかし大蔵省のDr Kaushik Basu主任エコノミストは「1月のインフレ率は12月を下回るだろう」と予想した。 ○総理府、一連の物価抑制策発表 【ニューデリー】政府トップの2日間にわたる論議の末、総理府は13日、物価高騰を抑制する短期及び長期の一連の施策を発表した。 また大蔵省のDr Kaushik Basu主任エコノミストを長とする関係省庁の代表から成る省際グループ(IMG:Inter-Ministerial Group)も組織された。IMGは、警戒すべき兆候を読み取り、物価の一層の高騰を防ぐ方策を練ると言う。 ヒンドゥー・ビジネスラインが1月14日報じたところによると、短期的施策には、 ①インド全国農協マーケッティング連盟(NAFED:National Agricultural Cooperative Marketing Federaton of India)及びインド全国農協消費者連盟(NCCF:National Cooperative Consumers' Federation of India Ltd)の店舗を通じた、1キロ当たり35ルピーの政府補助価格によるタマネギの供給、②公共流通システム(PDS:public distribution system)や公共部門小売り網を通じた食用油や豆類等の必需品の調達と流通が含まれる。 短期的施策を補完する長期対策には、①全ての必需品輸出入の定期点検や、②買い占め、闇市場の取り締まり強化が含まれる。小麦、非バスマティ米、豆類、砂糖の輸出はすでに禁止されている。 ○中央銀行が適切な対策発表:蔵相 【ニューデリー】中央銀行Reserve Bank of India (RBI)がインフレを抑制するため、政策金利を引き上げるとの予想がなされる中、Pranab Mukherjee蔵相は14日、RBIは適切な金融措置を講じ、物価の安定を図るだろうと語った。 デカン・ヘラルドが1月14日伝えたところによると、この日、世銀のRobert Zoellick総裁と共同記者会見したムカジ蔵相は「物価の安定等、経済のより大きな利益を配慮して主要金利を調整する際には、RBIは政府とも意見交換をした上で適切な政策措置を講じる」と語った。RBIは今月25日の四半期金融政策見直し報告に際して、短期貸出及び借入金利(レポ/逆レポ)を引き上げるものと予想されている。