1996-02-27 ◆<馬>実業家2人、香港メディア事業の拡張に布石 【シンガポール】マレーシア籍の実業家2人、ロバート・クォク氏とクー・テックパット氏は、メディア事業の拡張を目指して、共同で支配権益を握るサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)を通じてTVE(ホールディングズ)の株主に、TVE株2株に対しSCMP株1株の比率で買収を提案した。 上記の交換比率からすればTVEの買収コストは11億5000万HKドル(M$3.875億)となる。クォク氏とショー・ブラザーズの邵逸夫(ルンルン・ショー)氏が支配権益を握るTVEは当初香港最大手のTV局テレビジョン・ブロードキャスツLtd(TVB)を所有していたが、1988年にテレビジョン修正法に基づきTVBを手放した。しかしテレビ放送以外の業務は全て維持しており、これらには印刷、出版、TVコマーシャル制作、51の小売店網、500万平方フィート以上の土地が含まれる。クォク氏はTVEの上場資格を維持するため、買収手続き完了後25%のシェアを手放す方針で、またSCMPの持ち株比率も公開買付義務が生じる35%を下回る34.9%に維持する方針だ。クォク氏は1993年9月にルーパート・マードク氏からSCMPの権益を買収、クー氏傘下のマラヤン・ユナイテッド・インダストリーズBhd(MUI)がマードク氏の残余25%の持ち株を買い取った。その後クー氏はMUIを通じて積極的にその他のメディア・ビジネスにも手を広げた。これらにはニューヨークのスペイン語紙の権益や衛星放送会社チャイナ・エンターテーメント・テレビジョン・ブロードキャストLtd(CETV)の26.4%権益が含まれる。消息筋によるとMUIはTVE持ち株をSETVに注入する計画とされ、またSCMPはTVEの流通網を通じて英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストの中国への売り込みを図るものと見られる。TVEは独自雑誌TVウィーク、オートモービル、チャンピオンを出版、また米国誌コスモポリタンのディストリビューション権を所有、更に中国に小売ビジネス網を展開している。SCMPはTVEを傘下に収めることにより、中国大陸への進出をスムースに運ぶことができそうだ。(STAR:2/26)