1996-10-11 ◆<星>上級相、日本の核武装に警鐘 【シンガポール】このほどロスアンゼルス・タイムズのインタビューに応じたリー・クアンユー上級相は、米国がアジアから撤兵し、日本に核武装を許すことは、全世界にとって、また米国自身にとって最も危険なことと警鐘した。 リー氏によれば、アジアの秩序は米国の軍事的プレゼンスと国連により維持されている。日本が米国との軍事的パートナーシップの下で、その軍事力を拡張する限り、アジアの隣国はそれほど不安を抱くことがない。中国はこうした立場を公にすることはないが、米軍のアジアからの撤兵が事態を悪化させることは理解している。米国がその防衛線をハワイまで後退させ、太平洋の対岸の動静を監視すると言うのは、時代遅れの方式である。米国は中国と日本を同時に敵にすることはできず、どちらか一方と手を結ぶ他ないが、今日の趨勢からすれば、選択の道は日本しかない。当地域の国々は米国がより多くの注意をアジアに向けることを希望しており、実査上米国はそうしている。 もう一つの危険は市場開放問題で、日本は全ての国に対して貿易黒字を維持し続けることはできず、国内市場を開放せねばならない。こうすることにより初めて安定した体制を築くことができる。 中国が客観的な限界を無視した急速な発展を求め、失敗する可能性は存在する。中国は国内に多くの問題を抱えている他、隣国とも協力せねばならない。最近の日本との間の島嶼領有権紛争はその例だ。しかし香港や台湾の船舶が紛争地に赴き、死傷者まで出しているのに対して中国はそうしていない。中国はそうすることにより、容易に紛争を拡大することができるが、冷静な姿勢を維持している。このことは中国の自己規制の能力を証明しており、この点からも中国の向こう10~20年の政策を窺い知ることができると言う。(LZ,ST:10/10)