SEAnews 1997-04-25 ArtNo.10252

【クアラルンプル】政府をバックとする民間シンクタンク、マレーシア経済研究所(MIER)は23日、輸出と投資の堅調な伸びが見込まれることから、国内経済は今年もほぼ昨年並みの8.2％の成長を遂げるとの見通しを発表した。
それによると英連邦競技会が開催される来年の国内総生産(GDP)成長率は8.5％に更に加速しそうだ。来年8月に開幕する同ゲームのために20億Ｍドルが投資される。
先月発表された中央銀行の報告書では今年は7.8－8.2％の成長が見込まれており、インフレ率が昨年の3.5％から今年は3.7％にアップすると指摘されている。中央銀行は同報告書の中で労働力不足と資産インフレの影響に警鐘を鳴らすとともに、タイ・スタイルの不動産バルブをチェックする貸出規制を導入した。
ＭＩＥＲは中央銀行の不動産市場規制措置は不動産の値上がりを鈍化させるとともに、株式投資や消費目的のローンの成長を抑制することを目指したものと指摘している。
民間消費の成長は昨年の8％から今年は7.8％に鈍化するが、来年は輸出の回復等で8.1％に再び加速しそうだ。民間投資の成長は今年13.8％、来年13.6％と堅調で、公共投資も今年は12.3％の伸びが見込める。
こうした公共／民間投資の成長から輸入も拡大、経常収支の赤字は今年は143億Ｍドル、来年は148億Ｍドルと、再び増勢に転じそうだ。経常収支赤字は一昨年の187億Ｍドルから昨年の130億Ｍドルに縮小していた。(NST,MBT,STAR,ST,BT:4/24)