SEAnews 1995-03-28 ArtNo.1029

【シンガポール】ジョセフ・アンブローズ・リー氏により支配されるノース・ボルネオ・ティンバーズ(NBT)はサバ基金(ﾔﾔｻﾝ･ｻﾊﾞ)傘下のイノプライズ・コーポレーションから森林権益を買収することを通じて、ヤヤサン・サバの事業権益法人化の機関車を務める。
イノプライズ社の26日の発表によれば、同社はＮＢＴから提出されたヤヤサン・サバ傘下の森林権益の修正買収提案を受け入れた。ＮＢＴは昨年関係買収を提案したが、サバ州政界の一部から同州の森林資源がＮＢＴに安値で売却されようとしているとの批判が生じ、結局同提案は総理府経済計画局(EPU)により棄却された。このためＮＢＴは先月新たな買収案を提起したものだが、その詳細は明らかにされていない。当初の計画ではヤヤサン・サバはイノプライズが所有する木材会社サバ・ソフトウッドの60％権益と別の子会社ラヤット・ブルジャヤが所有する9万6000ｈａの森林権益をＮＢＴに売却、これに対してＮＢＴは自社の20％のシェアと現金1億Ｍドルを支払うはずだった。イノプライズは26日の声明において、取引の完了に伴い同社はＮＢＴの支配権益を掌握、ＮＢＴはサバ州の資源と産業の旗艦企業になるとしている。しかし最終的に何パーセントのＮＢＴシェアを掌握するかは明らかにされていない。ＮＢＴの提案内容には再植林も含まれており、これによりサバ州は恒久的に木材資源を確保できる。また今回の取引はサバ州政府企業法人化計画の第1歩を成すものと言う。(BT:3/27)