SEAnews 1997-06-26 ArtNo.11015

【香港】「中国と米国の対立は香港だけでなく、ＡＳＥＡＮにも打撃を与える。」リー・クアンユー上級相は、ファー・イースタン・エコノミック・リビュー主催の円卓会議の席上、「域内諸国は香港と中国に多額な投資を行っており、もし米中が角をつき合わすなら、全てがフイになる」と強調した。
それによると、ＡＳＥＡＮは崩壊する訳ではないが、成長は停止する。その反対に米中が対立しないなら、中国も香港もブームに沸き、域内経済は繁栄を謳歌することができる。シンガポールは政府系企業や民間企業を通じて香港と中国に120億Ｓドル以上を投資しており、このことは中国の未来に対するシンガポールの信頼の証しである。香港が繁栄するか否かは、中国経済のパフォーマンスにかかっている。リー上級相は「青天井はレッド・チップ(香港証取上場の中国銘柄)であり、自分が個人的に賭けるのはブルー・チップではない」と中国経済への信頼のほどを披瀝した。
同相はまた、クリストファー・パッテン総督の民主再編の努力に触れ、「香港総督府の政策転換に対する中国の疑心は、遅きに失した、見当違いの努力のために香港が支払った最大のペナルティー」とコメントした。(ST,BT,LZ:6/25)