SEAnews 1997-07-23 ArtNo.11344

【シンガポール】シンガポールの6月の国産非石油製品輸出は名目(現在価格)で75億Ｓドルをマーク、昨年同月比8.8％の力強い成長を見た。
貿易開発局(TDB)のチャン・カムファイ貿易政策部長が21日発表したところによれば、同成長率は過去13カ月以来最高のものだが、部分的には比較対象となる昨年6月の数字が低調だったことによる。昨年6月には6.1％の落ち込みが記録されていた。
国産非石油製品輸出の過去12ヶ月の数字は不安定な動きを見せており、4月には5.9％の成長を記録、シンガポール経済復調の兆しと期待されたが、5月には再び1％のマイナス成長に後退していた。とは言え第2四半期の国産非石油製品輸出の成長率は第1四半期のマイナス4.1％から4.4％のプラス成長を回復した。
南洋理工大学(NTU)経済モデル部のチェン・カン主任は6月の伸びは同モデル部の7.4％の成長見通しを上回っており、明るい兆候と指摘した。特に対米電子部品輸出の回復が注目されると言う。
国産非石油製品の対米輸出は過去8ヶ月のマイナス成長から3.2％のプラス成長を回復、欧州向けは11.3％、香港向けは11.1％、マレーア向けも9.2％の成長を遂げた。しかし対日輸出は20.4％の落ち込みを記録した。国産非石油製品輸出の70％を占める電子製品輸出は7.6％成長、中でもディスク・ドライブは10.1％、コンピューター周辺機器は17.5％、集積回路は12.2％の成長を見た。電子製品全般の輸出も4.2％成長、過去3ヶ月のマイナス成長から立ち直った。
ＴＤＢによれば6月には電子部品の再輸出に牽引され、中継貿易輸出も7.9％の健全な成長を遂げた。石油輸出は3.9％増加、石油製品と非石油製品の輸入も28.9％と2.8％アップした。この結果、6月の往復貿易は6.4％拡大、上半期を通じても1.4％のプラス成長を遂げた。(ST,BT,LZ:7/22)