SEAnews 1997-09-05 ArtNo.11904

【シンガポール】シンガポール証取(SES)上場を近く予定するナットスチール・エレクトロニクスLtd(NEL)の昨年の年商は9億100万Ｓドルと、1993年の2億4200万Ｓドルからほぼ4倍に拡大した。
チェスター・リン重役(CEO)によれば、電子契約製造業者にとって事業のサイズは極めて重要で、小規模業者は相手にされないが、事業が一定規模を超えると、納入業者が向こうからやって来て有利な条件で部品供給をオファーするようになる。同社はこのため年商10億Ｓドルを目指して、設備買収等を通じた事業の拡張を図っている。
同社は最近アップルのシンガポールにおけるプリント基板(PCB)業務を買収したが、ＩＢＭ、ヒューレット・パッカード等の大手企業は製造設備を売却し、デザインやセールスに照準を合わる戦略を採用している。このためＳＣＩやSolectron等の大規模な契約製造業者が誕生している。ＮＥＬは現在シンガポールの他、インドネシア、マレーシア、タイ、中国、米国、メキシコに製造拠点を展開している。
またチャイ・イーメン財務担当重役(CFO)によると、昨年の税引き前利益は2000万Ｓドルで、マージンは約2％だったが、同業界の大手企業と比較すれば、合理的水準と言える。またマージンは3～5％のレベルに向かいつつあると言う。
消息筋によれば、ＮＥＬは向こう2～3週間内に1億株を1株0.7～1.1Ｓドル(PER:15-17倍)で公募、1億1000万Ｓドル前後を調達する見通しだ。(ST,BT:9/4)