SEAnews 1997-10-03 ArtNo.12269

【サンチアゴ】マハティール首相は火曜(9/30)、当地で催された太平洋経済協力委員会第12回国際会議で講演、通貨の安定を維持するために通貨の共通バスケット制を導入することを提案した。
新システムの下、各国の通貨は当該国のＧＤＰ、ＧＮＰ、成長率等の経済指標に基づいて評価される。それ自体不安定な米ドルに替え、通貨バスケット制が導入される。バスケットの中の各通貨は変動しても、相互に相殺されるため、バスケットに収める通貨を慎重に選択するなら全体として安定が維持される。個々の通貨は同通貨バスケットを基準に評価され、大部分の不安定要因が除去されることから、世界貿易は安定した成長を維持できる。
しかしながら通貨バスケットは1つの基準であって、1通貨のように取引することができない。このため依然として特定の通貨が必要になると言う。
首相は、最近の通貨危機で、一夜にしてマレーシアの富が23％減少、証券市場がＭドル・ベースで60％、米ドル・ベースで70％縮小したことを例に、通貨取引の弊害を指摘、自分の提案は受け入れがたいものと感じるかも知れないが、自由貿易制度を守るために一考して欲しいと訴えた。
首相は同講演が原因で、Ｍドルが再び動揺するだろうと予言したが、水曜にはＭドルが急落しただけでなく、全東南アジア通貨が激震に見回れた。各国のトレダーらはマハティール首相が二度と同様の発言を行わぬようその願望を表明した。(STAR,ST,BT,LZ:10/2)