SEAnews 1997-12-05 ArtNo.13074

【シンガポール】シンガポールの不動産王、ン・テンフォン氏は都市再開発局(URA)が10月に募集したタナ・ムラとホウガンの99年借地権付きコンドミニアム開発用地2区画に、一番札を入れたが、アナリストは郊外の99年コンドミニアム用地の分水嶺を成す低調な価格と評している。
地下鉄タナ・ムラ駅に近いジャラン・パリ・ドゥダの13万6296平方フィートの区画にはン氏のErishiホールディングズとＤＢＳランドのみが入札、ン氏は4806万Ｓドル、1平方フィート(開発可能総床面積を基準、以下同様)当たり141Ｓドルの値を付けたが、これは同氏が今年やはりタナ・ムラ駅近くの別の宅地2区画を落札した際の2分の1に過ぎない。観測筋はＵＲＡの評価額との間に大きな開きが有る可能性があり、同局が売却を見合わせる可能性もあるとしている。しかし落札できれば、コンドミニアムの採算ライン売出価格は平方フィート当たり390～420Ｓドルと、現在の市価600Ｓドルを大きく下回る。
アナリストらは、コンドミニアムが実際に売り出される18～20カ月後の市価が平方フィート500Ｓドルに下降していても、ン氏は依然として利益を上げることができ、もし市況が回復すれば、さらに大幅な利益を享受できると見ている。
ホウガン・ストリート11の4万9231平方フィートの区画には、5社が入札、ン氏のErishiホールディングズは、2360万Ｓドル、平方フィート当たり171Ｓドルの一番札を入れた。こちらの採算ライン売出価格は平方フィート当たり420～450Ｓドル。ちなみにン氏が目下ホウガンで売り出しているリージェントビラの価格は平方フィート当たり570－580Ｓドルと言う。(ST,BT,LZ:12/4)