SEAnews 1997-12-24 ArtNo.13312

【シンガポール】政府所有のシンガポール・テクノロジーズPte Ltd(STPL)は、ディスク・ドライブ(HDD)ビジネスへの進出を目指して買収したマイクロポリスの清算に伴い5億7500万Ｓドルの損失を被る見通しだ。
ＳＴＰＬが23日発表したところによれば、同社のマイクロポリスに対するエクスポージャーは、8000万Ｓドルの出資と、5億5000万Ｓドルの貸付で、その総額は6億3000万Ｓドルに達する。
これに対してマイクロポリスの帳簿資産は2億7400万Ｓドルだが、売却価格はおよそ7600万Ｓドルと見積もられる。従業員の解雇補償に充当する500万Ｓドルを差し引けば7070万Ｓドルが残るに過ぎない。
マイクロポリスは11月12日現在5億7000万Ｓドルの無担保債務と5500万Ｓドルの偶発債務を負うている。これらの債権者が上記の7070万ドルを分配した場合、債権の約10％を回収できるに過ぎない。ＳＴＰＬの場合、その額は5500万Ｓドルで、5億7500万Ｓドルが回収不能になる。
マイクロポリスは1996年12月期には黒字を回復、引き続き業績の改善が見込まれたことから、ＳＴＰＬは、運転資金と研究開発(R&D)のための新たな借款供与に応じたが、翌1997年にはＨＤＤ業界全体が業況不振に見舞われ、マイクロポリスは11月10日付けで清算を申請せねばならなくなったと言う。
ＳＴＰＬはマイクロポリスの1300人の従業員中シンガポールで勤務する約500人の再就職を支援するが、その他の従業員の大部分もすでに就職口を見出していると言う。(ST,BT,LZ:12/24)