SEAnews 1998-02-02 ArtNo.13643

【シンガポール】シンガポールの今後10年間の競争力を診断し、新たな国際環境に対応した長期的経済戦略を立案する使命を負うて昨年5月に設立されたシンガポール競争力委員会(CSC)は、今年1月にその報告書を明らかにするはずだったが、アジアを襲った金融危機の影響が全面的に把握されるまで、数ヶ月発表を延期する方針を決めた。
ＣＳＣ議長を務めるリー・ヨクスアン通産相が先週水曜催されたシンガポール中華聡商会の旧正月祝賀行事の席上語ったところによると、同報告書では将来の競争力を強化するための幅広い戦略が提案されるはずだったが、突然発生した金融危機により、現在直面する問題に照準を合わせた策略を改めて検討する必要が生じた。
主に民間業界の指導者から成る17人のＣＳＣメンバーは、今後は域内の経済波乱の影響を検討し、シンガポールの可能な対応策を練ることになる。
ＣＳＣの最近の会合では、金融危機発生後、銀行融資を受けるのが極めて難しくなった問題が提起され、この種の困難に直面する企業に政府が何らかの救済の手を差し伸べる必要が指摘された。ＣＳＣは目下如何なる支援を提供できるかを検討している。
華聨銀行(OUB)のピーター・シア頭取に率いられるＣＳＣ金融銀行問題小委員会がまとめた報告書に政府は目下検討を加えおり、提案された施策のできるだけ多くを実行に移す方針だ。しかし最終的判断はリー・シエンロン副首相が座長を務めるハイレベルな金融サービス検討グループ(FSRG)に委ねらる。ＦＳＲＧは監督や規則に見直しを加え、シンガポールの金融部門を活性化させる任を負うている。リー副首相は昨年11月、今年初にも金融部門の改革案を発表する意向を表明していた。(ST,BT,LZ:1/30)