SEAnews 1998-02-04 ArtNo.13673

【シンガポール】シンガポール競争力委員会(CSC)傘下の金融銀行問題小委員会は2日、シンガポールをアジアの主要な金融センターにするための一連の大胆な提案を盛り込んだ報告書を発表した。
民間部門から選ばれた19人のメンバーから成る小委員会の委員長を務める華聨銀行(OUB)のピーター・セア頭取がこの日記者会見したところによると、全40頁の報告書には、シンガポールを香港を凌ぐアジアの金融センターにするための7つの重点分野が提起されており、また55項目の勧告が盛り込まれている。
これら7分野とは、1）ファンド・マネージメント、2）財務／リスク・マネージメント、3）エクイティ市場、4）一般債務証券、5）企業金融／ベンチャー・キャピタル、6）保険と再保険、7）国際電子バンキング。
また55項目の勧告の中でも特に大胆な提案としては、1）中央積立基金局(CPFB)に替わって民間年金基金を被雇用者退職基金の取扱機関にすること、2）法定機関と政府系企業に債券市場における資金調達を認めることが挙げられる。この他、上場会社の株式買戻しを認めることや、シンガポール株価指数を創設すること、公共部門資金を民間マネージメントに委ねることなどが勧告されている。
同報告書はシンガポール競争力委員会の承認を得、既にリー・シエンロン副首相に率いられるハイレベルな金融サービス検討グループに提出されている。セア委員長によると、勧告内容の多くは受け入れられる見通しと言う。(ST,BT,LZ:2/3)