SEAnews 1998-03-02 ArtNo.14011

【シンガポール】政府が国有地の放出をカットしても、今年市場に供給される民間住宅の戸数は変化しないが、心理的効果は期待できると言う。
コリアーズ・ジャーディンの幹部によれば、政府が放出した土地に住宅が建てられ、売りに出されるのは、2、3年先のことで、新措置により現在市場に滞留する1万7600戸の売れ残り住宅が減少することはないが、バイヤーの自信はこれにより回復する見通しだ。
エドモンド・タイ＆Ｃｏの幹部は、実際のところ今年政府は全く宅地を供給しないため、その心理的効果は大きいと指摘する。リチャード・エリス幹部によると、公共住宅から民間住宅へのアップグレード需要は年間4000戸で、基本的に需要は存在するが、域内経済危機等でバイヤーは先行きの見通しに自信を失っている。加えて住宅融資を受けることが益々困難になっていることが、市況を低迷させている。
出版会社のマネージャーを務めるリッキー・タン氏(35)は、「銀行はより少額のローンに高金利を付けており、住宅購入資金を捻出するのは益々難しくなっている。しかし価格は合理的水準に下がっているため、依然として住宅購入の夢は捨てていない」と語った。(ST:3/1)