SEAnews 1998-03-07 ArtNo.14084

【シンガポール】証券会社ゴールドマン・サックスはシンガポールのオフィス市況の回復の時期を当初今年下半期と予想していたが、1999年後半か、2000年初期に改めるとともに、市況は改善する前に、さらに悪化する恐れがあると指摘している。
それによると、民間オフィス需要は今年は100万平方フィート以下、来年は100万～120万平方フィートと見込まれが、今後2年間の供給量は年間210万平方フィートに達するため、賃貸料は一層下降する見通しだ。
今日の優良オフィスの平方フィート当たり賃貸料は9Ｓドルと、1996年末のピーク時に比べ13.5％軟化しており、今年末にはさらに7.5－8Ｓドルレベルまで下降する見通しだ。
一方、不動産投資家は、資産価値の上昇に伴うキャピタル・ゲインが望めなくなったことから、賃貸収入により投資収益を実現せざるを得なくなっている。しかし現在のレベルの賃貸料で、年率5％の合理的投資収益を確保するには、現在のシンガポールのオフィス不動産は更に30％以上値下がりする必要があり、そうなって初めて海外の投資家がシンガポールのオフィス不動産に関心を示すようになると言う。(BT:3/6)